ショスタコーヴィチ 交響曲第1番
今回はショスタコーヴィチ、比較的近代の作曲家です。
ドミートリイ・ドミートリエヴィチ・ショスタコーヴィチ(1906年9月25日 - 1975年8月9日)はロシア(旧ソビエト連邦時代)の作曲家です。
ロシア帝国の首都サンクトペテルブルクに生まれ、 10歳の時にグリャッセール音楽学校に入学しますが、翌年、街路上で同年配の少年が警官に殺害されるのを眼前で見てしまい、グリャッセールへ通う興味を失ってしまいます。
その後、ペテルブルク音楽院に入学しピアノと作曲を勉強し、以前私も取り上げましたグラズノフに師事します。
19歳で作曲科を卒業の際、今回取り上げる交響曲第1番を作曲します。
その後ソビエト共産党の党員となり、ソビエトのプロパガンダ的な作曲をしたりしましたが、後半、現代音楽的なものが多くなってきたためソビエトから批判をされたり、人生は一筋縄ではなかったようです。
交響曲としては戦争やメーデー、革命を材料にした作曲が多いですが、映画音楽やジャズの要素を入れた曲も書いています。
さて交響曲第1番は音楽院の作曲科卒業作品として書かれ、発表会で演奏したところ、師匠のグラズノフに第二楽章が近代すぎると指摘され修正しましたが、公演の際指摘箇所を戻して演奏し、グラズノフの機嫌を損ねたという話もあります。
第1楽章 アレグレット - アレグロ・ノン・トロッポ(Allegretto - Allegro non troppo)
ヘ短調。序奏部(アレグレット)は弱音器を付けた独奏トランペットとファゴットによる軽妙で不安さの伴う導入部から開始され、独特の管弦楽法が印象づけられる。主部(アレグロ・ノン・トロッポ)はソナタ形式で、行進曲の第1主題とゆっくりとしたワルツによる第2主題からなる。展開部は序奏部と第1主題の楽想を扱っているが、第2主題は再現部で用いられ、もとの導入部に戻る。コーダでは序奏部が静かに回顧される。
第1楽章の冒頭オーボエの旋律などは、リヒャルト・シュトラウスの交響詩『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』からの引用で、このあたりの曲想は、この交響曲全体の基調となっており、さらに晩年の12音階の作品とりわけ弦楽四重奏曲第12番を予想させる。
第2楽章 アレグロ - メノ・モッソ(Allegro - Meno mosso)
イ短調、スケルツォとトリオからなる楽章。低音弦とクラリネットによるユーモアな主題で開始される。アレグロからメノ・モッソのトリオを経て、ピアノが活躍するアレグロの再現を経て、トリオ主題によるコーダへと一気に演奏される。モダンでスピード感あふれるスケルツォである。
第3楽章 レント(Lento)
変ニ長調。三部形式による哀愁漂う緩徐楽章で、弦楽の静かな波動の上に現れるオーボエが輪郭のはっきりしない旋律を奏し、これを引き継ぐチェロ独奏はクレッシェンドでワーグナーの『ジークフリート』からの引用で特徴づけられている。ワーグナーの『トリスタンとイゾルデ』の動機による推移と「運命の動機」の旋律がチェロ独奏に引用されているが、[要出典]この点から後期ロマン派の影響が見られる。また弦楽器のピアニッシモの楽節はのちの交響曲第8番のパッサカリアを予感させる。第2主題は葬送行進曲。小太鼓のトレモロがクレシェンドで響き、アタッカで切れ目なく最終楽章に移る。
第4楽章 レント - アレグロ・モルト(Lento - Allegro molto)
ヘ短調〜ヘ長調。バスの三連音の鳴動と木管楽器の悲愴な楽句でレントの序奏部で開始する。第1主題は第1楽章の第1主題と関連し2本のクラリネットが軽快に歌い、ヴァイオリンによって激しいクライマックスへ導く。アレグロ・モルトの主部では2つの主題がソナタ形式に基づきながら巧妙に変化していくが、再び激しく高潮してクライマックスに達すると突然休止する。直後に独奏ティンパニが強弱の変化を伴った不思議な音型を奏する(この部分からアダージョ)。この音型は第3楽章におけるトランペットによって吹き鳴らされた音型の反進行形である。弱音器を付けたチェロが第2主題を回想したのち、最後は第1主題と第2主題が組み合わされたコーダによって、トゥッティ(総奏)で華々しく終わる。
さて、かずメーターです。
第一楽章 かずメーター 63点
第二楽章 かずメーター 79点
第三楽章 かずメーター 73点
第四楽章 かずメーター 83点
個人的はあまりショスタコーヴィッチは曲が近代的であったり、マーラーより変な楽器を入れるので好きではありませんが、第四楽章は楽しめると思います。