交響曲、大好き!

交響曲といっても知られていないものも多いと思います。 皆さんが聞きなれた/聞いたことがない交響曲を紹介していければと思います。

ハイドン 交響曲第96、97番

さて、今回はハイドン交響曲第96、97番についてお話します。

 

第96番

交響曲第96番ニ長調 Hob.I:96は、1791年に作曲した4楽章からなる交響曲です。「奇蹟」の愛称で知られ、ロンドン交響曲のうちの1つとして知られています。

「奇蹟」という愛称は、楽曲そのものとは関係はありません。この交響曲の初演時に、会場のシャンデリアが天井から落下したにもかかわらず誰も怪我をしなかった、という出来事に由来しています。ただし近年の研究の結果では、このエピソードは交響曲第96番ではなく102番の初演であったことが判っています。

第1楽章 Adagio - Allegro
ニ長調 4分の3拍子、序奏付きのソナタ形式(提示部反復指定あり)。序奏部では主短調ニ短調へ転調します。第1主題は4小節ずつの2つのフレーズからなります。第2主題はイ長調で始まりますが、性格の薄いものです。コデッタはフォルテで開始され、このコデッタ主題が展開部で重要な役割を担います。再現部は第1主題部が劇的なものになっており、第2主題はかなり短縮されています。コーダは第1主題に基づきます。
第2楽章 Andante
ト長調 8分の6拍子、三部形式シチリアーノ舞曲のリズムに基づきますが、舞曲的性格は弱いものです。中間部はト短調に転じ、精力的なミノーレで展開されます。後半はトゥッティによるユニゾンでクライマックスが築かれた後、主部が再現されます。長大なコーダでは2つの独奏ヴァイオリンが登場し、ト長調変ホ長調ト短調と転調を繰り返し、静かに閉じられます。
第3楽章 Menuetto. Allegretto
ニ長調 4分の3拍子、三部形式メヌエット主題は王朝風のクッキリとした旋律を与えられています。トリオではオーボエが主題を出しますが、オーストリアレントラー舞曲の旋律法によっています。
第4楽章 Finale. Vivace(assai)
ニ長調 4分の2拍子、ロンド形式に近いソナタ形式。第1主題は軽快な舞曲的楽想で提示されます。この第1主題に挟まれ、第2主題というよりも副次的旋律ともいうべきヘ長調のエピソードが弦で提示されます。再現部では第1主題の再現が静まると、管楽器が呼応した後、第2主題が再現され、そのまま短いコーダになだれ込みます。

 

第97番

交響曲第97番ハ長調 Hob.I:97は、1792年の第1回ロンドン旅行の折りのために作曲した4楽章からなる交響曲で、最晩年の「ロンドン交響曲」の5つめの作品です。全般的に和声進行や転調の創意とともに、安定感ある楽曲構成の巧みさが際立っています。 なお、第2楽章に当時としては珍しいsul ponticelloの指定があります。

第1楽章 Adagio - Vivace
ハ長調 3/4拍子、序奏付きソナタ形式(提示部反復指定あり)。提示部、展開部、再現部、コーダが圧倒的なユニゾンを持つ第1主題で開始されます。

第2楽章 Adagio
ヘ長調 4/4拍子、変奏曲形式(主題と3つの変奏とコーダ)。主題は前後2部で出来ており、それぞれ反復されています。

第3楽章 Menuet. Allegretto
ハ長調 3/4拍子、3部形式。この楽章は構成こそ反復記号付きのメヌエット楽章に準じているものの、通例の反復記号を一切持たないという特徴を持ちます。

第4楽章 Finale. Presto assai
ハ長調 2/4拍子、自由なロンド・ソナタ形式。第1主題が2部形式で前半と後半がそれぞれ反復された後、経過部に入りますが、提示部全体が共通の楽想に基づいているので、ハイドンの他の交響曲のフィナーレによく見られる単一主題的な性質の強い楽章です。

 

さて、かずメーターですが、

第96番 85点

第97番 81点

第96番は副題に負けないくらい意欲的でよい作品です。第1楽章から第4楽章を通してクオリティが高く、聴いていて飽きのない作品です。特に私は1楽章が好きです。第4楽章がもう少し盛り上がってくると90点台も見える好作品です。

一方、97番は地味な印象が強いのですが、結構考えられた旋律が続きます。音楽に詳しくない方が聴くとちょっと退屈な作品に聴こえるかと思いますが、わかる人が聴くとなるほどが多い作品です。よって81点という低い点数にはなっていますが通好みの曲だと思います。

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