交響曲、大好き!

交響曲といっても知られていないものも多いと思います。 皆さんが聞きなれた/聞いたことがない交響曲を紹介していければと思います。

モーツァルト 交響曲第38番、第39番、第40番

今回はモーツァルト交響曲第38番、第39番、第40番についてお話します。

 

まずは、交響曲第38番。

プラハ』というニックネームを持ちます。

1786年12月、プラハでの歌劇『フィガロの結婚』K. 492の上演が大成功を収めたことにより、モーツァルトプラハから招待を受けました。1787年1月22日、モーツァルトプラハで自ら『フィガロの結婚』を指揮したが、この交響曲はそれに先立って初演されたものといわれています。

モーツァルト自身の作品目録によれば、この交響曲の完成は1786年12月6日で、プラハ旅行の少し前です。このため、作曲の目的はプラハでの演奏ではなく、1786年から1787年の冬のウィーンでの演奏会のためではないかと見られています。ただし、ウィーンでの演奏の記録は残されていません。

この交響曲は3楽章からなり、メヌエット楽章を欠いていますが、その理由は不明です。アラン・タイソンによる自筆譜の研究では、第3楽章の執筆時期は1786年のはじめとされています。タイソンは、同じニ長調で3楽章構成の第31番ニ長調 K. 297(300a)「パリ」のフィナーレを差し替えるために第3楽章を作曲し、のちに第1、2楽章も新たに書いたのではないかと推測しています。

 

第1楽章  アダージョ - アレグロ

序奏つきソナタ形式

アダージョによる導入部から始まります。D音のシンコペーションがやがて8分音符の快活な連打となり、そこから第1主題が流れ出る様は非常に印象的です。またこの第1主題の対旋律は、歌劇『フィガロの結婚』の有名なアリア「もう飛ぶまいぞこの蝶々」からとられています。また、第2主題が短調を経た後に同じく『フィガロの結婚』より、スザンナのアリア「膝をついて」が現れます。再現部は展開部の流れを受けて、第1主題が提示部における発展順序と一部入れ替わっているため、再現部と展開部とが相互浸透的になっています。

第2楽章  アンダンテ

ソナタ形式

第3楽章 フィナーレ:プレスト

ロンドソナタ形式
第1主題の旋律は『フィガロの結婚』第2幕のスザンナとケルビーノの二重唱「早く開けて」に似ています。

 

つづいて、交響曲第39番。

1788年6月26日にウィーンで完成されたこの交響曲は、モーツァルト晩年の円熟した傑作として知られるいわゆる「三大交響曲」(本作、第40番、第41番「ジュピター」)の最初の曲です。本作の特徴としてモーツァルト交響曲としては珍しくオーボエが除外されていて、また3曲のなかでは本作のみ序奏があります。

三大交響曲はわずか1ヵ月半のあいだに連続的に書かれました。当時の通例から、演奏会や出版など何等かの目的があって書かれたと考えられますが、モーツァルトの晩年の書簡は極めて少なく、行ったかもしれない演奏会などの詳細が不明なため、作曲の動機はいまだ特定されていません。次世代のベートーヴェンが始めたように、芸術家としての内的動機から作曲された可能性も推測されています。また3曲とも、モーツァルトの生前に演奏されたかどうかは定かではありません。

 

第1楽章 アダージョ - アレグロ

ソナタ形式(序奏つき)

まずフォルテで明るい序奏が始まります。この序奏では付点音符つきのファンファーレ的な音型と、第1、第2ヴァイオリンの流れるような下降音型、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの上昇音型によって構成されます。下降音型のほうは、楽章全体に登場します。半音を含むような大胆な不協和音をはさみつつ、静かに序奏を終え、アレグロの主部に入ります。
主部はソナタ形式。提示部は弦の分散和音による第1主題で柔らかに始まり、やがて全奏でトランペットがファンファーレ調に力強く引き継ぎます。変ロ長調の第2主題は弦と木管のゆるやかな対話で始まり、低弦のピッツィカートに乗ってヴァイオリンで提示されます。展開部では第2主題と第1主題提示部、提示部終結部の締めで使われた音型が展開されます。再現部はほぼ定石どおり、第2主題は主調である変ホ長調で演奏されます。コーダは、下降音型から提示部締めの音型へと移行して、簡潔に曲を閉じます。

第2楽章 アンダンテ・コン・モート

二部形式
まず弦楽器だけで優美な第1主題を提示します。ヴァイオリンから低弦へとメロディーが移り、木管が入った後ヘ短調となりフォルテで第2主題が演奏されます。その後第1主題を変ロ長調で再現し、木管が緩やかな音型を1小節遅れで輪唱していきます。続いて木管が第1主題を再現し、弦楽器は伴奏に回り、第2主題がロ短調で表れます。その後変イ長調に戻って第1主題を再現し、曲を明るく閉じます。

第3楽章  メヌエット (アレグレット) - トリオ

三部形式

典型的な三部形式( A - B - A )のメヌエット。主部ではヴァイオリンが元気よく旋律を演奏します。トリオでは第1クラリネットはメロディーを演奏し、第2クラリネットはリズムを担当します。その後定型どおりメヌエットを反復します。ちなみにこの時代のメヌエットでは普通トリオはメヌエット下属調が用いられます。しかしこのメヌエットでは例外的にトリオもメヌエットと同じ調が用いられています。なお、この楽章はシャルル=ヴァランタン・アルカンによってピアノ独奏曲に編曲されています。

第4楽章 アレグロ

ソナタ形式
第1ヴァイオリンが演奏する第1主題に始まります。冒頭の16分音符の音型がこの楽章全体を支配し重要な役割を担います。フォルテで第1主題が繰り返され、続いてヴァイオリンがアルペジオ的な16分音符を続ける華やかな部分が続きます。第2主題は第1主題から派生したもので、第1主題冒頭の音型を木管が繰り返しながらフォルテに盛り上がります。終結部も同じように第1主題冒頭の音型を用いてもう一度盛り上がってから提示部を終えます。展開部でも、第1主題冒頭の音型が転調を繰り返しながら展開され、クラリネットファゴットが伸びやかな経過部を形作って変ホ長調に戻り、再現部に入ります。再現部は忠実に提示部を繰り返し、簡潔なコーダも第1主題冒頭の音型で終えます。

 

最後に交響曲第40番。

この曲はモーツァルトの全楽曲の中、最も有名なものの1つです。モーツァルト交響曲のうち短調のものはこの作品を含めてわずか2曲しかなく、その両方がト短調であるため、こちらを「大ト短調」、もう一方の交響曲第25番を「小ト短調」と呼ぶことがあります。第40番はトランペットとティンパニが用いられていないほか、第25番とは全体の構成、調性の選択、移行の仕方など、かなり多くの点で類似が認められます。

1788年7月25日にウィーンで完成された。同年に作曲された交響曲第39番(6月26日)、交響曲第41番(8月10日)とともに「3大交響曲」と呼ばれます。3曲とも作曲の目的や初演の正確な日時は不明ですが、モーツァルトは、この交響曲第40番を除き、これらの曲の演奏を聴かずに世を去ったと推測されています。

この曲の初演に関する記録は残されていないため、かつての人気作曲家が演奏のあてのない曲を書いたと、悲劇性を強調する文脈で語られることもあったが、現在ではモーツァルトの生前には演奏されていたと推測されています。初稿のほかに、2本のクラリネットを含んだ木管のパートを追加した改訂版が残されているためです。モーツァルトが実際に演奏する目的なしに曲を改訂するとは考えにくいためです。

また、第2楽章の一部に差し替え用の楽譜が残されています。この楽譜は1789年2月以前に書かれたことが分かっており、1788年の演奏会のために作られたと考えられます。

1789年のベルリン旅行と1790年のフランクフルト旅行では、モーツァルトが自分の交響曲の楽譜を携えていったことは確かです。

「1791年4月16日と17日、ウィーンの音楽家協会の演奏会でモーツァルト氏の新しい大交響曲がアントニオ・サリエリの指揮で演奏された」という史料が残っています。この大交響曲とは本作のことを指すものであろうと推測されています。

 

第1楽章 モルトアレグロ

ソナタ形式

ヴィオラの8分音符の和音の刻みに乗って次の第1主題で始まります。

第2楽章 アンダンテ

ソナタ形式

8分音符の同音6連という朴訥な第1主題がヴィオラから第2ヴァイオリン、第1ヴァイオリンへと重なりながら出ます。

第3楽章 メヌエット (アレグレット) - トリオ

複合三部形式

主旋律が一般的な8小節単位の組み合わせではなく、各所で3小節単位となったり2小節単位の寸足らずになったりするため、変拍子的な印象を与えます。ト長調のトリオはホルンの響きが象徴的な音楽。

第4楽章 フィナーレ:アレグロ・アッサイ

 ソナタ形式

駆け上がる分散和音の前半と強奏の後半とでできた激しい第1主題で始まります。激しい経過部を経た後、定石通り平行調変ロ長調で静かで優しい第2主題が出ます。

 展開部では第1主題の前半の動機が主に展開されます。

 

さて、かずメーターですが、

第38番

第一楽章 82点

第二楽章 80点

第三楽章 82点

第39番

第一楽章 80点

第二楽章 80点

第三楽章 81点

第四楽章 83点

第40番

第一楽章 90点

第二楽章 81点

第三楽章 85点

第四楽章 84点

40番は皆さん一度は聞いたことある曲ですよね。へぇーモーツァルトなんだと覚えてくださいね。この辺の曲はだいぶ洗練されてきたいます。聞いて損はしないと思いますよ。

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