交響曲、大好き!

交響曲といっても知られていないものも多いと思います。 皆さんが聞きなれた/聞いたことがない交響曲を紹介していければと思います。

ハイドン 交響曲第15~18番

さて、今回はハイドン交響曲第15~18番についてお話します。

 

最初に、

交響曲第15番ニ長調 Hob.I:15は、ハイドン交響曲で、ゲットヴァイク修道院(英語版)の目録に1764年の日付があり、それ以前の作品ですが、正確な作曲年代は明らかではありませ。

メヌエットが第2楽章に来る4楽章構成をとっています。この構成は主に初期の交響曲にいくつか見ることができます(32番、37番、交響曲「B」(108番)。初期以外では44番と68番)。

第1楽章が非常に変わった形式をしており、中心になる快速な部分の前後がアダージョによる緩徐な部分ではさまれていまする。このような楽章構成はハイドンのほかの作品には見られません。かつて「フランス序曲」と呼ばれたこともありましたが、実際にはフランス序曲でも、序奏つきのアレグロ楽章でもありません。これに対して第2楽章以下は普通の曲になっています。

演奏時間は約22分。

 

第1楽章 Adagio - Presto - Adagio
アダージョの部分は3⁄4拍子で、弦楽器とホルンによって演奏されます(オーボエは休み)。ピッツィカートの伴奏に乗って、第1ヴァイオリンがのどかな旋律を演奏し、ときどきホルンの合いの手が加わる、ディヴェルティメント風の音楽になっています。短調に転じた後、ユニゾンによるイ音の繰り返し(ニ長調の属音)によって次のプレストへと進みます。

プレストは4⁄4拍子で、おおむねソナタ形式ですが、通常と異なって繰り返しがなく、提示部がはっきり終止しないため、どこから展開部がはじまるのかはっきりしません。提示部は3小節にわたるヴァイオリンのトレモロから始まる第1主題にはじまり、イ長調に転じた後にヴァイオリンがピアニッシモで8分音符による第2主題を演奏します。展開部はやはりトレモロで開始し、短調へと進みます。再現部はトレモロを省略して始まります。再現部の後にトレモロが再び現れ、属和音で終わります。それからふたたび最初のアダージョが少し省略した形で繰り返されます。

第2楽章 Menuet - Trio
メヌエット主部は付点つきリズムを持ったはずんだ音楽です。

トリオはト長調に転じ、弦楽器のみで演奏されますが、低音から独立したチェロの独奏パートがあるために楽譜は5段になっています。独奏チェロと、やはり独奏と指定されたヴィオラがひとまとまりになり、第1・第2ヴァイオリンと対話します。メヌエット主部とは対照的に8分音符によるなだらかな音楽です。

第3楽章 Andante
ト長調、2⁄4拍子、ソナタ形式。この時期のハイドンの緩徐楽章の多くに見られるように、弦楽器のみで演奏されます。突然現れるフォルテやシンコペーションがよいアクセントになっています。

第4楽章 Finale: Presto
3⁄8拍子。三部形式で、両端部分はニ長調。中間部分はニ短調で、弦楽器のみで演奏されます。最後に10小節ほどのコーダがあります。

 

次に、

交響曲第16番変ロ長調 Hob.I:16は、ハイドン交響曲で、初期の交響曲のひとつですが、最古の筆写譜は1766年のゲットヴァイク修道院(英語版)のものであり、正確な作曲年代は明らかでありません。初期の交響曲に多い急-緩-急の3楽章形式を持ち、ランドンはハイドンボヘミアのモルツィン伯爵に仕えていた時代のものとしましたが、交響曲第14番と同様に第2楽章にチェロのソロがあり、このような形式を持つ交響曲エステルハージ家の副楽長時代にしか見られないとして、ウェブスターは作曲年代を1762年-1763年ごろと推定しました。

演奏時間は約13分。

 

第1楽章 Allegro
3⁄4拍子、ソナタ形式。冒頭は2つの主題によるフーガ調の音楽になっていて、第2ヴァイオリンと低音、第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリン、低音楽器とそれ以外の順に出現しますが、その後はホモフォニックな通常のソナタ形式の音楽になります。

第2楽章 Andante
変ホ長調、2⁄4拍子、ソナタ形式。当時の他の多くの交響曲と同様、緩徐楽章は弦楽器のみで演奏されますが、チェロのソロが弱音器をつけたヴァイオリンによる旋律をオクターブ下で重ねて演奏します。それ以外の楽器は低音としてやはりユニゾンで演奏されるので、2声部だけの音楽になります。

第3楽章 Finale: Presto
6⁄8拍子、ソナタ形式。歯切れのよい音楽で、再現部は短く切りつめられています。

 

続いて、

交響曲第17番ヘ長調 Hob.I:17は、ハイドンの初期の作品ですが、自筆原稿などは残っておらず、正確な作曲時期は不明です。初期ハイドン交響曲にしばしば見られる、メヌエットを欠いた3楽章形式の曲であり、様式上からはボヘミアのモルツィン伯爵に仕えていた時代(1757年-1760年)の作風に近いが、第1楽章が長大である点はこの時代の他の曲と異なっているといわれています。

演奏時間は約14分。

 

第1楽章 Allegro
3⁄4拍子、ソナタ形式。第1主題は上昇音階によります。ハ長調の第2主題は第1主題から派生したものです。初期の交響曲には珍しく、展開部が提示部よりも長いのが特徴です。

第2楽章 Andante, ma non troppo
ヘ短調、2⁄4拍子、ソナタ形式。この当時の他の多くの交響曲と同様、緩徐楽章では弦楽器のみを使用します。

第3楽章 Finale: Allegro molto
3⁄8拍子、ソナタ形式。三連符やトリルを多用した明るい舞曲風の音楽。展開部はごく短いものです。展開部では短調の部分が少し長くなっています。最後に7小節のコーダがあります。

 

最後に、

交響曲第18番ト長調Hob.I:18は、交響曲の初期の交響曲のひとつで、正確な作曲年は不明ですが、フュルンベルク・コレクションに信頼できる筆写譜が所蔵されており、エステルハージ家以前、ボヘミアのモルツィン伯爵に仕えていた時期(1757年-1760年ごろ)の作品と考えられています。

第1楽章が遅い、教会ソナタ風の作品ですが、同様のほかの作品と異なってメヌエットで終わる3楽章形式になっています。

 

第1楽章 Andante moderato
2⁄4拍子、ソナタ形式。低音の8分音符による伴奏の上を、付点つきのリズムをもった主題をまず第2ヴァイオリンが演奏し、第1ヴァイオリンがそれを引き継ぐ、トリオ・ソナタに似た構成を持ちます。管楽器は終始補助的な役割に徹します。曲はフォルティッシモの32音符の連続やフォルテとピアノの激しい交替によって区切られます。展開部と再現部の境目がはっきりしません。

一般的に第1楽章の緩徐楽章はアダージョが指定されていることが多いのですが、この曲ではアンダンテ・モデラートが指定されていて、通常と異なっています。

第2楽章 Allegro molto
4⁄4拍子、ソナタ形式に似た二部形式。急速な音楽で、しばしばホルンによるファンファーレが聞かれます。展開部で第1主題と第2主題が聞かれた後、もとの調にもどりますが、ソナタ形式の場合と異なって主題は再現せず、推移部と終結部にあたる部分のみが再現されます。

第3楽章 Tempo di Menuet
通常のメヌエットと同様の三部形式ですが、中間部分にはトリオとは書いていません。そこから最初の部分に戻ったあとは繰り返しが省略され、終わりに10小節のコーダが附属していて、最終楽章らしさを出しています。

メヌエット主部は三連符・付点つきリズム・トリルなどを使用した華やかな音楽です。トリオにあたる箇所はト短調に変わります。

 

さて、かずメーターですが、

第15番 83点

第16番 80点

第17番 81点

第18番 82点

この辺ってハイドンとしては初期の作品なのですが、とても洗練されていて聴きやすい旋律になっています。よくよく譜面をみると当時ではチャレンジングな内容もあり、ハイドン、がんばっているなぁと感じます。

若干、16番は落ち着いた感じではありますが、いずれもお勧めできる曲です。

(多分聴いていて眠くはならないと思いますよ)

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ハイドン第18番はyoutubeに音源がありませんでした)