交響曲、大好き!

交響曲といっても知られていないものも多いと思います。 皆さんが聞きなれた/聞いたことがない交響曲を紹介していければと思います。

ハイドン 交響曲第32~35番

さて、今回はハイドン交響曲第32~35番についてお話します。

 

最初に

交響曲第32番ハ長調Hob.I:32はハイドンが1760年ごろに作曲した交響曲で、エステルハージ家以前、ボヘミアのモルツィン伯に仕えていた時代に書かれたことがほぼ確実です。

ハイドン初期の交響曲は3楽章形式のものが多く、4楽章でも緩徐楽章から始まる教会ソナタ風の構成を持つものもありますが、この曲は後のハイドン交響曲と同じ、両端楽章が速い4楽章形式を取っています。しかし、内側の楽章は第2楽章がメヌエット、第3楽章が緩徐楽章となっており、後のハイドン交響曲とは逆になっています。このような構成を持つ交響曲は本曲のほかに初期の作品にいくつか見え、交響曲第15番、交響曲第37番、および交響曲「B」(108番)があります。初期以外では交響曲第44番と交響曲第68番のみです。

本曲と交響曲第33番はトランペットとティンパニを含み、何か祝典的な機会に演奏されたと考えられています。

第1楽章 Allegro molto
2/4拍子、ソナタ形式。華やかな第1主題の後、ト長調に転調し、いったんト短調の短い楽句を経由し、トランペットの軍楽的な音型が聞こえて提示部を終えます。展開部でも同じ軍楽的な音型をときどき聞くことができます。

第2楽章 Menuet - Trio
ハ長調メヌエット主部では付点つきリズムを持った主題が演奏されます。

トリオはハ短調で、弦楽のみによるものです。途中は変ホ長調になります。

第3楽章 Adagio ma non troppo
ヘ長調、2/4拍子、ソナタ形式。弦楽のみによって演奏され、第1ヴァイオリンが穏やかな旋律を演奏します。展開部は第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンの掛け合いで始まり、短い短調の楽句を経て再現部にはいります。

第4楽章 Finale: Presto
3/8拍子、ソナタ形式。短く軽い音楽です。

 

次に、

交響曲第33番ハ長調(Hob.I:33)は、ハイドンが1760年ごろに作曲した交響曲で、エステルハージ家以前、ボヘミアのモルツィン伯に仕えていた時代に書かれたことがほぼ確実です。

交響曲第32番と同様にトランペットとティンパニを含み、何か祝典的な機会に演奏されたと考えられています。

第1楽章 Vivace
3⁄4拍子、ソナタ形式

第2楽章 Andante
ハ短調、2⁄4拍子、ソナタ形式。弦楽器のみで演奏され、変ホ長調に転調した後に半音階で上昇する神秘的な部分があります。

第3楽章 Menuetto - Trio
ハ長調の華やかなメヌエット主部に対し、ヘ長調のトリオは再び弦楽器のみにより、ヴァイオリンがシンコペーションの旋律を演奏します。

第4楽章 Finale: Allegro
2⁄4拍子、ソナタ形式。極端な跳躍音程が主題に現れます。

 

続いて、

交響曲第34番ニ短調(Hob.I:34)はハイドンが1765年ごろに作曲したいわれる交響曲ですが成立年代や曲の構成については問題があります。

この曲は1767年のブライトコプフ社カタログに見つけることができ、それ以前の作品ではありますが、正確な作曲年代は不明です。

曲が短調であることから、1767-1768年ごろにはじまるハイドンのいわゆるシュトゥルム・ウント・ドラング期の先蹤と見なされます。とくに交響曲第49番とは、3⁄4拍子の緩徐楽章で開始する教会ソナタ風の構成や、第2楽章の跳躍音程などに共通点が見られます。

しかしながら、第1楽章以外がすべてニ長調で、暗さのかけらも見当たらないこと、ハイドンのエントヴルフ・カタログ(草稿目録)に2回現れ、第1楽章でなく第2楽章の冒頭が記されていること、また最終楽章のジーグがきわめて単純であることから、ジェームズ・ウェブスターは従来の説より古い1763-1765年ごろの作品とし、劇の付随音楽をもとにしたパスティッチョの可能性があるとしています。

第1楽章 Adagio
ニ短調。3/4拍子、ソナタ形式。憂鬱な短調の主題ではじまり、ヘ長調に転じてヴァイオリンの16分音符の旋律が続きます。

第2楽章 Allegro
ニ長調、4/4拍子、ソナタ形式。第1主題はオクターブを越える跳躍音程を3回繰り返します。全楽器のユニゾンの後、オーボエによるイ長調の第2主題が現れ、弦楽器のトレモロで盛り上がります。短くまとまった明るい曲です。

第3楽章 Menuet: Moderato - Trio
ニ長調メヌエット主部は全奏によるはずんだ音楽です。トリオは管楽器を中心とし、オーボエによる旋律を、ホルンがシンコペーションのリズムで伴奏します。

第4楽章 Presto assai
ニ長調、2/4拍子、三部形式。三連符の連続による軽快なジーグです。中間にニ短調の部分が挿入されます。

 

最後に、

交響曲第35番変ロ長調 Hob.I:35は、ハイドンが1767年に作曲した交響曲で祝祭的な明るい音楽です。

この交響曲には1767年12月1日の日付を記した自筆楽譜が残っています。珍しく日付まで記しているのは、主君であるニコラウス・ヨーゼフ・エステルハージ侯爵の命名日(12月6日)を祝うために作曲されたためという推測があります。

第1楽章 Allegro di molto
3⁄4拍子、ソナタ形式。弦楽器のトレモロの後に出現する第2主題は第1主題の変形になっています。展開部の冒頭に9小節にわたる長いホルンの伸ばしがあります。再現部のホルンの三連符が目立ちます。

第2楽章 Andante
変ホ長調、2⁄4拍子、ソナタ形式。弦楽器のみによる演奏です。提示部の後半は不思議なシンコペーションのリズムを持ちます。再現部は低音楽器によって始められます。

第3楽章 Menuet: Un poco allegretto - Trio
メヌエット主部は3拍めに三連符を、1拍めにトリルを持ちます。トリオは変ホ長調で、弦楽器のみにより、三連符の連続で旋律が形作られます。

第4楽章 Finale: Presto
2⁄4拍子、ソナタ形式。3つの音符からなる上昇音階ではじまる軽快な音楽です。最初の3音が曲の最後にも出現します。

 

さて、かずメーターですが

第32番 82点

第33番 83点

第34番 81点

第35番 82点

32番、33番、35番と明るい曲が続きます。どの曲も心暖かくしてくれます。34番は短調から入りますのでちょっと暗いかなぁと思いますが第2楽章ではじけますよ。でもやっぱ宮殿音楽はBGMなど聞き流すにはとてもいい曲ですが、上記の解説を読みながら楽しむのもよいと思います。

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