交響曲、大好き!

交響曲といっても知られていないものも多いと思います。 皆さんが聞きなれた/聞いたことがない交響曲を紹介していければと思います。

ハイドン 交響曲第19~22番

さて、今回はハイドン交響曲第19~22番についてお話します。

 

まずは、

交響曲第19番ニ長調 Hob.I:19は、ハイドン交響曲で初期の作品ですが、自筆原稿などは残っておらず、正確な作曲時期は不明です。様式上からはボヘミアのモルツィン伯爵に仕えていた時代(1757年-1760年)の曲に近いと言われています。初期ハイドン交響曲にしばしば見られる、メヌエットを欠いた3楽章形式の曲です。

演奏時間は約12分。

第1楽章 Allegro molto
3⁄4拍子、ソナタ形式。第1主題は上昇分散和音により、所々にホルンによる軍楽風の音型が挿入されます。

第2楽章 Andante
ニ短調、2⁄4拍子、ソナタ形式。この時期のハイドンの他の緩徐楽章と同様、弦楽器のみで演奏される。途中、ヘ長調に転調した後のシンコペーションの連続が目立ち、同じ音型は展開部でも繰り返されます。全57小節の小曲です。

第3楽章 Presto
3⁄8拍子、ソナタ形式

 

次は、

交響曲第20番ハ長調 Hob.I:20は、ハイドン交響曲でこれも、自筆原稿は残されておらず、エステルハージ家の副楽長時代のものか、それ以前にボヘミアのモルツィン伯爵に仕えていた時代のものかは明らかではありません。様式の上からは32番、33番、37番など、早い時代(1757-1760年)の他のハ長調交響曲に類似します。

32番・33番と並んで、トランペットとティンパニを使用した初期の祝祭的な交響曲とされることが多いですが、ジェームズ・ウェブスターによるとトランペットやティンパニを含む楽譜は時代の遅い信頼できないものしかないそうです。

第1楽章 Allegro molto
2⁄4拍子、ソナタ形式。オクターブ下降から始まる華やかな音楽です。

第2楽章 Andante cantabile
ト長調、2⁄2拍子、ソナタ形式。弦楽器だけで演奏されます。全曲にわたって低音楽器によるピッツィカートの4分音符、第2ヴァイオリンの8分音符の伴奏に乗って第1ヴァイオリンが旋律を演奏するセレナード調の曲です。

第3楽章 Menuet - Trio
メヌエット主部もトリオも、弱起の3拍めが三連符になった同じようなリズムを持ちます。

トリオ部分はヘ長調で弦楽器のみで演奏されます。

第4楽章 Presto
3⁄8拍子、三部形式で、両端の部分が長調、中間部が短調になっています。各部分はいわば「ミニ・ソナタ」とも言うべき形式をしています。

 

続いて、

交響曲第21番イ長調 Hob.I:21は、ハイドン交響曲です。交響曲第21番から24番までの4曲は自筆原稿から1764年に作曲されたことが明らかになっています。うち、第21番と第22番は全編が主調で統一された、緩―急―メヌエット―急の教会ソナタの形式をとっています。楽器編成の上では第22番とは異なり、当時の標準的な編成を使用しています。楽章構造がハイドンの通常使用するソナタ形式とはかなり異なっています。

第1楽章 Adagio
3⁄4拍子。ハイドンの通常の楽章と異なって繰り返し記号がなく、はっきりした形式を持っていません。弦楽器の穏やかな問いかけにオーボエが応えます。問いかけの音型は楽章通して展開され、それに伴う絶妙な和声の変化は非常に美しいものです。コーダは弦楽器だけに演奏可能な、同音の和音が登場し、リズムの掛け合いや和声に陰りを見せます。

第2楽章 Presto
4⁄4拍子、ソナタ形式。弦楽器がユニゾンで歯切れよく、8分音符の連続を基本とした低音に乗って推進力のある主題を出します。第2主題は雰囲気は変わらないが、同音連打を主調としたフレーズの反復進行による下降が特徴的です。

第3楽章 Menuet - Trio
メヌエットの主題は後にモーツァルトが作曲するアイネ・クライネ・ナハトムジークメヌエットに酷似しています。トリオはイ短調で、弦だけによるものです。

第4楽章 Finale: Allegro molto
4⁄4拍子、ソナタ形式の変形。再び推進力のある楽章で、シンコペーションのリズムや同じ音型で進行していく箇所が特徴である。展開部では8分音符6個ずつがまとまりをなし、4拍子に聞こえなくなる箇所があります。再現部は推移部から再現されます。

 

最後に

交響曲第22番変ホ長調Hob.I:22は、『哲学者』(独: Der Philosoph)の愛称で知られています。オーボエのかわりに2本のコーラングレが使われているところに大きな特徴があり、その特殊な音色は特に第1楽章で大きな効果が発揮されています。

交響曲第21番から24番までの4曲は自筆楽譜から1764年の作曲であることが知られています。4曲の中で本曲は楽章構成も使用楽器も最も特殊です。

アダージョではじまる教会ソナタ風の構成を取り、すべての曲が変ホ長調で変化しません。主に初期の交響曲において緩徐楽章が最初に来るものがいくつかある(5番、11番、18番、21番、22番、34番、49番)。

19世紀はじめのハイドン伝の作者であるグリージンガーやディースがハイドン本人から聞いた話として伝えるところによると、ハイドンのある古い交響曲アダージョが、行いを改めようとしない罪人と神の対話を主題にしていると言ったそうです。ランドンはこの交響曲の第1楽章のホルンとコーラングレの対話がそれにあたるという推測を述べました。しかし、ほかのハイドン学者はこの説を必ずしも認めておらず、エレーン・シスマンはこの話が交響曲第26番のこととする異説を述べています。

「哲学者」の愛称はハイドンがつけたわけではありませんが、モデナのエステンセ図書館が所蔵する1790年ごろの筆写譜にこの名称を記したものが見られます。由来は不明であるが、第1楽章の深く思索するような曲想から付けられたのかもしれません。

第1楽章 Adagio
4⁄4拍子、ソナタ形式。弱音器をつけた弦の、ユニゾンで足取りを刻むような伴奏の上に、ホルンとコーラングレがフォルテッシモで交互に息の長い瞑想的な旋律を歌います。展開部は弦によって対位法的に展開されながら、管楽器が主題の断片を様々な調で出ます。

第2楽章 Presto
4⁄4拍子、ソナタ形式。弦によるせわしない音型で進行します。管楽器は合いの手を入れます。

第3楽章 Menuetto - Trio
メヌエット主部は弦楽器を主体としたごく単純な音楽です。トリオは管楽器が旋律を演奏し、ホルンとコーラングレを重ねた独特の音色に特徴があります。

第4楽章 Finale: Presto
6⁄8拍子、ソナタ形式。狩りを思わせる快活な楽章です。中音域に集中した和音の響きに特徴があります。

 

さて、かずメーターですが、

第19番 82点

第20番 81点

第21番 79点

第22番 82点

なんか、20番から22番は一桁台の曲調に戻りかけてしまったのかなぁとしばし残念。微妙に手法は変えてきてはいるのですが、典型的なソナタ形式の曲になってしまっているのが残念です。トリオとかテンポの変化がもっとあると楽しめたのではないかと思います。でもほぼ80点以上なのでお勧めです。

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