交響曲、大好き!

交響曲といっても知られていないものも多いと思います。 皆さんが聞きなれた/聞いたことがない交響曲を紹介していければと思います。

ハイドン 交響曲第69~71番

さて、今回はハイドン交響曲第69~71番についてお話します。

 

最初に、第69番。

交響曲第69番 ハ長調 Hob.I:69は、ハイドンが1775年から1776年ごろに作曲した交響曲です。

愛称の「ラウドン」は、七年戦争オーストリアを優勢に導いたエルンスト・ギデオン・フォン・ラウドン将軍を指します。この愛称はウィーンの出版社であるアルタリアが1784年にヴァイオリン・クラヴィーア用の編曲譜を出版したときに加えたものですが、ハイドンはこの愛称を承認していました。ハイドンはアルタリアあての手紙の中で「フィナーレの第4楽章はピアノでは演奏不可能で、楽譜に含める必要はないと思います。“ラウドン”の名は10のフィナーレよりも販売に役立つでしょう」と書いています。

トランペットとティンパニを含む明るく賑やかな作品で、ハイドン交響曲の中では比較的単純です。

第1楽章 Vivace
2⁄2拍子。明るく祝祭的な音楽で、第1主題は交響曲第48番「マリア・テレジア」によく似ています。

第2楽章 Un poco adagio più tosto andante
ヘ長調、3⁄4拍子、ソナタ形式。トランペットとティンパニは休み、弱音器をつけたヴァイオリンが繊細な旋律を奏でます。にぎやかな他の楽章との対比をなします。

第3楽章 Menuetto - Trio
曲の途中で3拍めにアクセントが置かれる箇所があります。トリオはオーボエとヴァイオリンがユニゾンで旋律を奏でます。

第4楽章 Finale: Presto
2⁄4拍子。ウェブスターによるとロンドソナタ形式となります。弦楽器ではじまり、トランペットとティンパニが軍楽風の音楽を加えます。途中で短調に転じ、激しく展開します。

 

次に、第70番。

交響曲第70番ニ長調 Hob.I:70は、ハイドン研究家として著名なH.C.ロビンス・ランドンが、「ハイドンの最も興味深い交響曲のひとつ」として挙げたことで知られています。

1779年12月に、火災ののち再建されることになったエステルハージ宮殿(英語版)の劇場の定礎を記念して書かれました。対位法の大規模な使用が大きな特徴で、ランドンは「先人たちや同時代人たちの中にあって、ヘラクレスのように突出した作品」と形容しています。

第1楽章 Vivace con brio

ニ長調、3/4拍子。ソナタ形式。祝祭的な雰囲気を持ち、ランドンは当初劇場用の序曲として書かれたものと推測されています。

第2楽章 Andante. Specie d'un canone in contrapunto doppio

ニ短調、2/4拍子。二重変奏曲形式(ニ短調の主題(A)とニ長調の主題(B)の2つがA-B-A1-B1-A2のように交互に変奏されます)。「二重対位法によるカノンの一種」と題がつけられており、二声で書かれた冒頭はのちに上下の声部が交換されます。

第3楽章 Menuetto: Allegretto

ニ長調、3/4拍子。三部形式ハイドン交響曲メヌエットには珍しくコーダを持っています。

第4楽章 Finale. Allegro con brio

ニ短調、2/2拍子。冒頭で同音連打が主題を予示し、その後「三つの主題を持ち、二重対位法による」(à 3 soggetti in contrapunto doppio)と記された技巧的なフーガが始まります。「真の力を持つ」フーガとランドンは評価しました。最後の部分でニ長調に転調します。

 

最後に、第71番

交響曲第71番変ロ長調Hob.I:71は、ハイドン1780年に作曲した交響曲です。

第1楽章: Adagio - Allegro con brio
シュトゥルム・ウント・ドラングを連想させる暗い響きの弦楽合奏によるゆったりとした4⁄4拍子の序奏の後、3⁄4拍子の軽快優美な主題によるアレグロに移行します。この主部において、明快な主題の間に暗色の弦楽合奏の動機が割り込みます。動機の推移には卓越した対位法が使われます。

第2楽章: Adagio
ヘ長調、2⁄4拍子。4つの変奏およびコーダで構成されます。主題と第一変奏は弱音器をつけたヴァイオリンで演奏されます。第二変奏はフルートとファゴットの二重奏で、第三変奏は16分音符の三連符が駆使されます。最終変奏はよくあるように最初の主題の再現になっていますが、ここでハイドンは楽想を発展させ、カデンツァのようなパッセージも盛り込んでいます。

第3楽章: Menuetto - Trio
トリオの部分ではバス部のピチカートを伴奏にした2挺のヴァイオリンによる独奏部が用意されています。

第4楽章: Finale: Vivace
4⁄4拍子。ソナタ形式の軽快な音楽で、管楽器による終結主題も魅力的です。展開部は変ニ長調という意外な調ではじまり、すぐに短調に変わります。

 

さて、かずメーターですが

第69番 82点

第70番 85点

第71番 82点

第70番、いいですね。とても聞いていて楽しくなります。もちろん第69番、第71番もお勧めですよ。本当にこの時期のハイドンははずれがありません。じっくり聞くと1つ1つの違いが判って楽しいですよ。たぶん飽きはこないと思います。

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