交響曲、大好き!

交響曲といっても知られていないものも多いと思います。 皆さんが聞きなれた/聞いたことがない交響曲を紹介していければと思います。

ハイドン 交響曲第57~59番

さて、今回はハイドン交響曲第57~59番についてお話します。

 

最初に、第57番。

交響曲第57番ニ長調 Hob.I:57は、ハイドンが1774年に作曲した交響曲です。第54番から第57番までの交響曲は、いずれも自筆原稿によって1774年の作曲であることがわかっています。

第1楽章 Adagio - (Allegro)
当時のハイドン交響曲としては珍しく長い序奏を持ちます。3⁄4拍子の序奏の後に8分音符のリズムに乗って4⁄4拍子のアレグロが始まります。

第2楽章 Adagio
ト長調、6⁄8拍子。主題と4つの変奏からなる変奏曲で、主題は弱音器をつけたヴァイオリンにより、ピッツィカートと弓奏が1小節ずつ交替します。第1変奏ではじめて管楽器が加わります。第2変奏は三連符が主体となります。第3変奏はふたたび弦楽器のみになり、ヴァイオリンが修飾の多いパッセージを演奏します。第4変奏は全奏によるフォルテの部分とピアノの部分が対比されます。各変奏の最後の1小節は同じピッツィカートの音型で終わります。

第3楽章 Menuet: Allegretto - Trio
トリオの出だしの音型がメヌエット本体の終わりの音型とまったく同じになっています。トリオは弦楽器のみによるものですが、変ロ長調ではじまり、ニ短調に移行します。

第4楽章 Prestissimo
4⁄4拍子、ソナタ形式。三連符の連続による非常に高速な主題は、17世紀にウィーンで活躍した作曲家アレッサンドロ・モリエッティ(英語版)による『雄鶏と雌鳥の鳴き声によるカンツォーナとカプリッチョ』(Canzon und Capriccio über das Henner und Hannergeschreÿ)というチェンバロ曲にもとづくものです。

 

次に、第58番。

交響曲第58番ヘ長調 Hob.I:58は、ハイドン交響曲で、自筆原稿は残っていませんが、「メヌエット・アッラ・ツォッパ」と題された第3楽章がバリトン三重奏曲第52番(Hob.XI:52)と共通します。バリトン三重奏曲の番号は大体作曲順を反映しており、次の第53番が1767年の作曲であることから、三重奏曲第52番およびこの交響曲もだいたい同じ時期に作曲されたと考えられています。

第1楽章 Allegro
3⁄4拍子。弦楽器によって穏やかに始まります。

第2楽章 Andante
変ロ長調、2⁄4拍子。弦楽器のみで演奏されます。

第3楽章 Menuet alla zoppa. Un poco Allegretto – Trio
「アッラ・ツォッパ」(びっこをひく)は音楽用語で不均整なリズムの一種を言います。付点つきリズムを主体として第2拍が長く引き伸ばされますが、ところどころ1拍めや3拍めが伸ばされる箇所があります。対照的にトリオはヘ短調で(ホルンの長いヘ音の伸ばし以外)弦楽器のみによる暗く沈んだ調子に変わります。

第4楽章 Finale. Presto
ソナタ形式、3⁄8拍子の舞曲調の音楽で、2拍めが強調される不思議なリズムを持ちます。再現部にはいったところでは1拍めが強調されます。

 

最後に、第59番。

交響曲第59番イ長調 Hob.I:59は、ハイドンが作曲した交響曲で「火事」(独: Feuersymphonie)の通称で知られています。

自筆原稿は残っていませんが、1769年と記された筆写譜があり、ランドンは1766年から1768年の間の作曲と考えています。この交響曲には緩徐楽章にオーボエとホルンが登場しますが、ゲルラッハ(Sonja Gerlach)によれば1767年以前のハイドン交響曲の緩徐楽章では弦楽器のみを使用しているため、1768年ごろの作品であると考えられます。いわゆる「疾風怒濤期の交響曲」に属しますが、同時期の41番や65番と並び、娯楽性の高い作品になっています。

ハイドンの他の多くの交響曲と同様、通称はハイドン本人によるものではありません。ある筆写譜には「1774年にエステルハーザでカール・ヴァール(Karl Wahr)一座によって劇『火事』が上演されたときにその付随音楽として作曲された」と書かれています。1774年にエステルハーザで『大火事』(Die Feuersbrunst)という劇が上演されたのは事実ですが、上記の年代と矛盾するためにこの記述は疑わしいものです。ただし曲の特徴から、この交響曲の少なくとも一部分が劇付随音楽に由来する可能性は高いと考えられます。

第1楽章 Presto
ソナタ形式。第1主題はオクターブ降下する特徴的な音型で勢いよくはじまりますが、途中でピアノになっていったん止まります。その後、何事もなかったかのように再開します。提示部の終わりもピアニッシモになります。

第2楽章 Andante o più tosto Allegretto
イ短調、3⁄4拍子。弦楽器のみで開始され、途中でハ長調のなめらかな第2主題に転じます。97小節目からイ長調に変わり、ここではじめてオーボエとホルンが加わって第2主題(カンタービレと書かれている)が演奏されます。途中でホルンによるフォルテッシモのファンファーレが突然現れますが、すぐに消えてそのまま長調で終わります。

第3楽章 Menuetto - Trio
メヌエットの動機は第2楽章の第1主題と共通します。トリオはイ短調に転じ、弦楽のみで演奏されます。

第4楽章 Allegro assai
ソナタ形式、2⁄2拍子。ホルンによる出だしは、ずっと後の交響曲第103番のフィナーレとの類似が指摘されています。

 

さて、かずメーターですが、

第57番   82点

第58番   83点

第59番   83点

第57番くらいになると管楽器の使い方が初期の交響曲に比べ上手くなっているなぁと感じます。

第58番は全般的に落ち着いています。第一楽章の終わりがあれでいいのかなという印象はありますが、悪くはありません。

第59番は第四楽章がいいですね。何が「火事」なのかは何回聞いても分かりませんでした(笑)。

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