交響曲、大好き!

交響曲といっても知られていないものも多いと思います。 皆さんが聞きなれた/聞いたことがない交響曲を紹介していければと思います。

シューベルト 交響曲第7番

さて、今回はシューベルト交響曲第7番についてお話します。

 

交響曲第7番は、シューベルトの作曲した7番目の交響曲ですが、シューベルトの後期の交響曲は何度も番号が変更されており、『交響曲第7番』が示す曲もその都度変化しています。自分の持っているCDでは7(8)番って書いてありました。

  1. D 944(ハ長調)→新シューベルト全集(Neue Schubert-Ausgabe)における第8番。未完成作品を除いて7番目の交響曲であるため、かつては第7番と呼ばれていました。その後、第9番、第10番と呼ばれたこともあります。『ザ・グレート』(大交響曲ハ長調のこと。
  2. D 729(ホ長調)→新シューベルト全集では番号はついていません。大半がスケッチのみの未完の交響曲。後世の指揮者や音楽学者らによりオーケストレーションされた版で演奏されることもあります。
  3. D 759(ロ短調)→新シューベルト全集における第7番。旧第8番。本作『未完成交響曲ロ短調。1978年のヴァルター・デュル(ドイツ語版)、アルノルト・ファイル(ドイツ語版)らによるドイチュ番号改定により、自筆譜のままで演奏できるという意味で完成されていると認められる交響曲の7番目のものであることから第7番とされ、テュービンゲンの「国際シューベルト協会」(Internationale Schubert-Gesellschaft e.V.)をはじめ、多くの楽譜出版社がこれに従いました。

ここでは、新シューベルト全集での交響曲第7番である『未完成交響曲ロ短調 D 759について扱います。

 

シューベルトの代表作のひとつであり、一般的に『未完成』(独:Die Unvollendete)の愛称で親しまれ、ベートーヴェンの『運命』やドヴォルザークの『新世界より』などと並んで大衆的な人気があります。かつてのレコード業界では『運命』と『未完成』のカップリングは、いわゆる「ドル箱」として重視されていました。

シューベルトグラーツ楽友協会から「名誉ディプロマ」を授与されました。わずか25歳でのこの授与に対し、シューベルトは返礼として交響曲を作曲することにしました。しかし、シューベルトが送付したのは第1楽章と第2楽章だけで、残りの楽章は送付しなかったとされています。

そのままシューベルトはなぜか別の交響曲ハ長調 D 944)を作曲しだし、ロ短調交響曲を完成させる前に逝去した。シューベルトの名声が確実なものとなった没後数十年を経て、残された2楽章分のみが出版されることになりました。
初演は1865年12月17日、ウィーン。初演された当時、シューベルトはすでに「大家」の扱いであり、未完成の理由について多くの推察が行われましたが、決定的な証拠は遺されなかったそうです。

交響曲は通常4つの楽章から構成され、その最も典型的な形が『運命』や『新世界より』などに見られるアレグロソナタ - 緩徐楽章 - スケルツォ - フィナーレ という形式です。シューベルトも当初はそのようなものを構想して、この交響曲ロ短調の作曲を進めていったのであろうと考えられます。しかし、シューベルトは第2楽章まで完成させ、スケルツォ(第3楽章)をスケッチまでほぼ仕上げながら、そこで作曲を中止してしまったとされていますが、諸説あります。例えば「第1楽章を4分の3拍子、第2楽章を8分の3拍子で書いてしまったために、4分の3拍子のスケルツォがありきたりなものになってしまった」というもの、また「シューベルトは、第2楽章までのままでも十分に芸術的であると判断し、それ以上のつけたしは蛇足に過ぎないと考えた」という説などです。事実、第3楽章のスケッチの完成度があまり高くないため、シューベルトのこの判断は正しかったと考える人は多いそうです。もっとも、このように音楽作品を完成させないまま放棄するということをシューベルトはきわめて頻繁に行っていて、「未完成」であることは、この交響曲の成立に関してそれほど本質的な意味はないとする考えもあります。

これとは別に、シューベルトはこの交響曲を完成させていたが、劇付随音楽『ロザムンデ』に音楽を流用するためグラーツ楽友協会に第3・第4楽章の楽譜の返還を求め、結果として楽譜が散逸した、とする説もあります。

シューベルトの多くの作品で見られることであるが、第1楽章の第1主題冒頭の自筆譜にかかれた記号は、アクセントなのかデクレッシェンドなのか判然とせず、今日でも見解が分かれたままだそうです。「そのどちらでもなく」演奏することが慣例であるが、どちらかとして解釈する演奏も見られます。

シューベルトが残したスケルツォオーケストレーションをほどこして第3楽章とし、『ロザムンデ』の間奏曲第1番を流用して第4楽章とする全4楽章の補筆完成版には、イギリスの音楽学者エイブラハム(英語版)とニューボウルド(英語版)によるものや、SAMALE=COHRS復元2015年版や、ニューボールド=ヴェンツァーゴ補筆2016年版などがあります。20世紀の名指揮者・作曲家であったフェリックス・ワインガルトナーは、この曲の未完の第3楽章を補筆し、自作の『交響曲第6番』作品74の中に使用しています。2019年、マティアス・レーダー (Matthias Roeder) をリーダーとする音楽学者とプログラマーによるチームがAIを使って補筆を試みたこともあったが、完成した曲はシューベルトの曲というよりアメリカの映画音楽のようだと酷評されています。このチームはベートーヴェンの『交響曲第10番』、またマーラーJ.S.バッハの未完成曲についても同様の作業を試みているそうです。

 

第1楽章 アレグロモデラー

冒頭から「ロ - 嬰ハ - ニ」の有名な動機が現れます。単に序奏というのではなく楽章の最後まで執拗に支配しています。オーボエクラリネットのユニゾン木管の甲高い第1主題を弦楽が支えながら第2主題に入ります。通常のソナタ形式であれば、短調の第1主題に対して3度上の平行調であるニ長調で書かれる第2主題が、ここでは逆に3度下であり平行調下属調であるト長調で書かれています。この調性関係は、ベートーヴェンの『交響曲第9番』の第1楽章と同じですが、シューベルトがこの交響曲を作曲した1822年の時点ではベートーヴェンの『交響曲第9番』は作曲途中であり、演奏はされていない。第2主題では、伸びやかなチェロがシンコペーションに乗って歌われます。展開部は序奏を発展させる形のものです。半音階ずつ転調を繰り返します。再現部では、第2主題は提示部とは逆の3度上(平行調)のニ長調で再現されます。

第2楽章 アンダンテ・コン・モート

通常の演奏会ではここまでが演奏されます。展開部を欠くソナタ形式。穏やかな下降音階の第1主題が提示されます。コーダでは、シューベルトが好んで用いた三度転調により一時変イ長調に転調します。

 

さて、かずメーターですが、

第一楽章 88点

第二楽章 88点

確かに、ベートーヴェン交響曲とこの曲セットでの演奏会は時間的にいいですね。ただ同年代の作曲家なので曲風が似ていて、演奏会としての楽しみはどうかなぁと思います。今日はもちろんいい曲です。主題は耳なじみがあっていい旋律です。

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お勧めのCDです。