シューベルト 交響曲第5番
交響曲第5番は第4番と同じ年、1816年9月に作曲され、10月3日に完成されたと自筆譜に記されています。前作とは趣を全く異なる交響曲ですが、モーツァルトなどの古典派の作曲家の作風を思わせるような心地よい旋律と優美な雰囲気が醸し出される作品で、シューベルトの初期の交響曲の中では最も人気が高い作品です。
第4番と同様、オットー・ハトヴィッヒが指揮する私設オーケストラで演奏するために作曲されたと考えられていますが、初演の日付は明らかではありません。また公開の演奏会での初演の詳細についても一切不明です。
なお第5番は、第4番よりも楽器の編成が少なくなっており、クラリネット、トランペット、トロンボーンが省かれ、ティンパニも欠くという小規模な編成の交響曲です。
4楽章構成で、演奏時間は約28分ですが、普通省かれる終楽章の提示部の繰り返しも指示通り入れると30分を越します。
- 第1楽章 Allegro
- ソナタ形式(提示部リピート付き)。
- シンプルな構造の楽章で、4小節の導入の後、軽快な第1主題が提示されます。短い経過部の後、第2主題は弦により提示されます。展開部はシューベルトの交響曲らしくシンプルなもので、導入句と第1主題を主に扱っています。
- 第3楽章 Menuetto. Allegro molto
- スケルツォ風のメヌエット。トリオ。
- モーツァルトの交響曲第40番第3楽章との類似がしばしば指摘されます。(調・拍子・クラリネットなしの初稿との楽器編成も同じ)
- 第4楽章 Allegro vivace
- ソナタ形式(提示部リピート付き)。
- ハイドンの交響曲を彷彿させる華やかな第1主題で開始されます。フェルマータの後、ヘ長調で第2主題が提示されます。コデッタは三連音を伴奏とします。第1主題部内にはリピート記号が存在し、提示部をリピートした場合の2回目の第1主題部はリピートしない分短くなります。ただし、提示部自体が長めであまりリピートされることはありません。展開部の再現部の間もフェルマータが置かれています。
さて、かずメーターですが
第一楽章 88点
第二楽章 85点
第三楽章 87点
第四楽章 89点
やっぱ、シューベルトいいですよね。なんかどこかで聞いたことがある旋律の玉手箱です。じっくり聞いてほしい曲です。
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お勧めのCDです。