グラズノフ 交響曲第4番
さて、今回はグラズノフの第4番についてお話します。
交響曲第4番は、グラズノフによって1893年に作曲されました。
この作品は、ロシア民謡に基づいた、初期の3つの国民楽派的な交響曲との訣別であり、作曲者の言葉を借りると、「個性的で、自由で、主観的な自己の印象」の表現が許されているといいます。
この交響曲は、作曲家で偉大なピアニストのアントン・ルビンシテインに献呈されました。
3楽章しかないものの、いつもの4楽章の作品にも匹敵する内容をもっています。たとえば第2楽章は、アルノルト・ベックリンの絵画『ディアーナの狩』を表現せんとの意図であったそうです。1893年12月4日にこの交響曲を脱稿し、1894年1月22日にサンクトペテルブルク貴族会館における第3回ロシア音楽演奏会にて初演されました。恩師で著名な作曲家のリムスキー=コルサコフが指揮を執り、「すばらしく、高貴で表情豊かな」作品と評しました。ロシア5人組の方向性とは違うと思うんだけど評価しちゃうところが、何なんだろうなぁと思ってしまいます。
後にグラズノフの養女エレーナ・グラズノフ=ギュンターは、アメリカで人気のあったグラズノフ作品は交響曲第5番だったが、ヨーロッパでは第4番だったと伝記作家に打ち明けています。
第1楽章 Andante - Allegro moderato
三部形式の導入部はまずイングリッシュホルンが哀愁を漂う主題を奏し、次にホルンが東洋的な旋律を醸し出します。第1主題はオーボエに現れます。
クラリネットが主旋律を提示し、フルートとクラリネットによる二重奏がこれらを繰り返します。次にクラリネット、ホルンの二重奏にヴァイオリンとチェロが加わる副次主題が提示されます。トリオはクラリネットが主題を提示し、弦がトリオを形作っていく中でヘ長調になり、トリオ主題が静かに終止します。やがてスケルツォ主題に回帰し、主要主題と副主題が変ロ長調で提示されると、クライマックスに達して終止します。
第3楽章 Andante - Allegro
第1主題はクラリネットとヴィオラが提示する柔和な主題に基づいており、行進曲風です。第2主題は第1主題を発展させた第主題とmeno mosso tranquilloの2つの要素で成り立っています。展開部ではこれに加え、先の楽章の主題や動機が再現されます。
さて、かずメーターですが
第一楽章 84点
第二楽章 83点
第三楽章 83点
第一楽章がなんとなく日本の田園風景を思い出させるメロディーで愛着がわきます。
グラズノフは本当に「聴かせる」作曲家だと感じ、いつのまにか往復の車内のリスニングはグラズノフに変わりつつあります。(そんだけ彼の曲が好きだよ~)
やっぱ、CD購入前は知らない作曲家を買って聞いて『良いなぁ』と感じると発見というか満足感がやばいです。
お勧めのCDです。