モーツァルト 交響曲第29番、第30番、第31番
今回はモーツァルトの交響曲第29番、第30番、第31番についてお話します。
まず、交響曲第29番。
1773年から翌年にかけてモーツァルトは、9曲の交響曲を書き上げました。そのうちの5曲までがイタリア風序曲の形式で作曲されているのに対し、残りの4曲はウィーン風の4楽章の構成がとられるようになりました。この第29番は社交的娯楽的要素の強いイタリア様式を脱却し、後の交響曲へのたしかな成熟を予測させる表現力を備えた作品です。モーツァルトが10代で作曲した交響曲中、第25番ト短調 K. 183(173dB) とこの曲はとりわけ人気が高いそうです。なお、1774年の4月6日にザルツブルクで完成されたどうです。全4楽章。演奏時間は約20分。第3楽章のみソナタ形式で書かれていません。
第2楽章 アンダンテ
第3楽章 メヌエット - トリオ
複合三部形式。
第4楽章 アレグロ・コン・スピーリト
続いて、交響曲第30番。
モーツァルトは1773年から翌年にかけて24曲の交響曲を生み出しましたが、第30番は1774年の5月5日に完成され、その最後を飾る作品です。伝統的なファンファーレ風な交響曲に戻ったが、退行を示した創作と指摘されるケースは少なく、祝典的な機会に演奏される目的で作曲されたといわれています。また、作品自体がセレナード風の明るい曲でもあります。全4楽章構成。演奏時間は約21分です。
第2楽章 アンダンティーノ・コン・モート
第3楽章 メヌエット - トリオ
第4楽章 プレスト
最後に、交響曲第31番。
パリの演奏団体コンセール・スピリチュエルの支配人ジャン・ル・グロからの依頼によって作曲されたため、『パリ』の愛称で呼ばれることがあります。交響曲としては第28番ハ長調 K. 200(189k) (1774年)以来3年半ぶりの作品となりました。マンハイム楽派の影響や、パリの聴衆の好みに合わせたフランス趣味が盛り込まれた点が特色です。また、楽器編成の上では初めてクラリネットを含む完全な二管編成をとっていますが、これもマンハイムの優れたオーケストラでこの楽器を十分に知り、パリでもそれを活用できたことによります。作品はモーツァルトとしては異例なほど推敲を重ねた上、ル・グロの注文により第2楽章を書き直すという過程を経て完成し、1778年6月18日のコンセール・スピリチュエルの演奏会で初演され、大成功を収めました。ル・グロからの依頼で作曲された曲としては、もう1曲フルート、オーボエ、ホルン、ファゴットと管弦楽のための協奏交響曲(散逸)があります。全3楽章、演奏時間は約18分。
第1楽章 アレグロ・アッサイ
第2楽章 アンダンテ
展開部を欠くソナタ形式。
ル・グロの注文で書き直された稿も存在します(4分の3拍子、ソナタ形式)。
第3楽章 アレグロ
さて、かずメーターですが、
第29番
第一楽章 82点
第二楽章 79点
第三楽章 79点
第四楽章 79点
第30番
第一楽章 80点
第二楽章 79点
第三楽章 81点
第四楽章 81点
第31番
第一楽章 83点
第二楽章 81点
第三楽章 82点
やはり31番が一番好きですね。これからのモーツァルト像が見えてくる作品です。
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