交響曲、大好き!

交響曲といっても知られていないものも多いと思います。 皆さんが聞きなれた/聞いたことがない交響曲を紹介していければと思います。

ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱付き」

さて、今日はベートーヴェン最後の交響曲、第9番についてお話します。

 

年末といえばベートーヴェンの第9が風物詩となっていますが、個人的にはマーラーの第2番「復活」が年末には良いと考えています、余談ですが。

やはり荘厳な印象の第9はいいですね。年末の気分をさらに引き締めてくれます。

 

ベートーヴェン自身は表題をつけませんでしたが、副題として「合唱」や「合唱付き」が付されることも多いです。第4楽章は独唱および合唱を伴って演奏され、歌詞にはシラーの詩『歓喜に寄す』が用いられています。第4楽章の主題は『歓喜の歌』としても親しまれています。原曲の歌詞はドイツ語だが、世界中の多く言語に翻訳されており、その歌詞で歌われることもあります。古典派以前の音楽の集大成ともいえるような総合性を備えると同時に、来たるべきロマン派音楽の時代の道標となった記念碑的な大作です。

第4楽章の「歓喜」の主題は、欧州評議会においてはヨーロッパ全体をたたえる「欧州の歌」として、欧州連合EU)においては連合における統一性を象徴するものとして、それぞれ採択されています。このほか、コソボ共和国の暫定国歌や、かつてのローデシアの国歌としても制定されていました。ベルリン国立図書館所蔵の自筆譜資料は2001年に国際連合教育科学文化機関ユネスコ)のユネスコ記憶遺産リストに登録されました。初演/初版の版刻に用いられた筆写スコアが2003年にサザビーズで競売にかけられた際には、「人類最高の芸術作品」と紹介されているんですね。

 

元来、交響曲とはソナタの形式で書かれた管弦楽のための楽曲で、第1楽章がソナタ形式、第2楽章が緩徐楽章、第3楽章がメヌエット、第4楽章がソナタやロンドという4楽章制の形式が一般的でした。ベートーヴェン交響曲の第3楽章にスケルツォを導入したり、交響曲第6番では5楽章制・擬似音による風景描写を試みたりしましたが、交響曲第9番では第2楽章をスケルツォとする代わりに第3楽章に瞑想的で宗教的精神性をもった緩徐楽章を置き、最後の第4楽章に4人の独唱と混声合唱を導入しました。ゆえに「合唱付き」と呼ばれることもありますが、ドイツ語圏では副題は付けず、単に「交響曲第9番」とされることが多のです。第4楽章の旋律は有名な「歓喜の歌(喜びの歌)」で、フリードリヒ・フォン・シラーの詩『歓喜に寄す』から3分の1程度を抜粋し、一部ベートーヴェンが編集した上で曲をつけたものです。交響曲に声楽が使用されたのはこの曲が必ずしも初めてではなく、ペーター・フォン・ヴィンターによる『戦争交響曲』などの前例があるものの、真に効果的に使用されたのは初めてです。

なお、ベートーヴェン以降も声楽付き交響曲は珍しい存在であり続けました。ベルリオーズメンデルスゾーン、リストなどが交響曲で声楽を使用していますが、声楽付き交響曲が一般的になるのは第九から70年後、マーラーの『交響曲第2番「復活」』(出た出た!)が作曲された頃からです。

大規模な編成や1時間を超える長大な演奏時間、それまでの交響曲でほとんど使用されなかったティンパニ以外の打楽器(シンバルやトライアングルなど)の使用、ドイツ・ロマン派の萌芽を思わせる瞑想的で長大な緩徐楽章(第3楽章)の存在、そして独唱や混声合唱の導入など、彼自身のものも含むそれ以前の交響曲の常識を打ち破った大胆な要素を多く持ち、シューベルトブラームスブルックナーマーラーショスタコーヴィチなど、後の交響曲作曲家たちに多大な影響を与えました。また、ベートーヴェンの型破りな精神を受け継いだワーグナーやリストは、交響曲という殻そのものを破り捨て全く新しいジャンルを開拓しました。このように、交響曲作曲家以外へ与えた影響も大きのです。

日本でも人気は高く、年末になると各地で第九のコンサートが開かれます。近年では、単に演奏を聴くだけではなく、アマチュア合唱団の一員として演奏に参加する愛好家も増えつつあります。

 

ベートーヴェンがシラーの詞『歓喜に寄す』に感動し、曲をつけようと思い立ったのは、1792年のことです。ベートーヴェンは当時22歳でまだ交響曲第1番も作曲していない時期で、ベートーヴェンが長きに渡って構想を温めていたことがわかります。ただし、この時点ではこの詞を交響曲に使用する予定はなかったとされています。

交響曲第7番から3年程度を経た1815年頃から作曲が開始されたようです。さらに1817年、ロンドンのフィルハーモニック協会から交響曲の作曲の委嘱を受け、これをきっかけに本格的に作曲を開始したものと見られます。実際に交響曲第9番の作曲が始まったのはこのころですが、ベートーヴェンは異なる作品に何度も旋律を使い回しているため、部分的にはさらに以前までさかのぼることができます。

ベートーヴェンは第5、第6交響曲、および第7、第8交響曲を作曲したときと同じように、当初は2曲の交響曲を並行して作曲する計画を立てていたようです。一つは声楽を含まない器楽のみの編成の交響曲で、一方では別に声楽を取り入れた交響曲『ドイツ交響曲』の制作を予定していました。しかし様々な事情によって、交響曲を2つ作ることを諦めて2つの交響曲のアイディアを統合し、現在のような形となったそうです。歓喜の歌の旋律が作られたのは1822年頃のことです。なお、当初作曲されていた第4楽章の旋律は、のちに弦楽四重奏曲第15番の第5楽章に流用されました。1824年に初稿が完成し、そこから初演までに何度か改訂され、1824年5月7日に初演されました。初演以後も改訂が続けられています。

この作品は、当初はロシア皇帝アレクサンドル1世に献呈される予定でしたが、崩御によりフリードリヒ・ヴィルヘルム3世 (プロイセン王)に献呈されました。

 

ライプツィヒ・ゲヴァントハウスと12月31日の第九

1918年、第一次世界大戦終結となった年の暮れ、ヨーロッパの人々の新年への願いは平和でした。当時はライプツィヒの郊外の村であり、現在はライプツィヒの一部であるゴーリスという土地にシラーが住んでいたときに『歓喜に寄す』を書いたという縁もあり、「人類すべてがきょうだいになる」という平和への願いこそが人々の思うところでした。12月31日の午後、日が暮れる時間に労働者教養協会のイニシアチブにより100人の演奏家と300人の歌手によってベートーベンの第九は演奏されました。その伝統はゲヴァントハウス管弦楽団によって受け継がれ、毎年暮れになるとライプツィヒでは翌年の平和を祈って演奏され続けている(現在の大晦日コンサート開演時間は午後5時)。

第二次世界大戦でドイツ本土は激しい空襲に晒され、1944年、ライプツィヒのコンサートホール「ゲヴァントハウス」は戦火に焼けました。1968年の完全破壊を経て1981年、新しいゲヴァントハウスが建築されるとクルト・マズアは生まれ変わったゲヴァントハウスのオープニング・コンサートの主要プログラムとしてベートーベンの第九を選びました。それ以来、毎年の大晦日の午後、「暗くなり始める時間」にシラーやベートーベンが世界に、人類に望んだ平和を歌い上げる第九交響曲が演奏され、多くの国々にテレビやラジオによって同時放映、同時放送されました。19回目の2010年には香港、オランダ、アメリカ合衆国などにも演奏がライブ放映・放送されました。

 

ドイツ分断と第九

1964年の東京オリンピック東西ドイツが統一選手団を送ったときに、国歌の代わりに歌われました。

1989年のベルリンの壁崩壊直後の年末にレナード・バーンスタインが、東西ドイツとベルリンを分割した連合国(アメリカ、イギリス、フランス、ソ連)のオーケストラメンバーによる混成オーケストラを指揮してベルリンで演奏しました。この際には、第4楽章の詩の"Freude"をあえて"Freiheit(自由)"に替えて歌われた。また、翌年のドイツ再統一のときの統一前夜の祝典曲としてクルト・マズア指揮のライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団ライプツィヒで演奏しました。

演奏のみのバージョンが欧州連合EU)の歌として使用されています。2007年にはルーマニアブルガリアEUに加盟し、2007年の1月元旦の0時を回ったとき演奏されたのがこの『第九』でした。

 

第1楽章 Allegro ma non troppo, un poco maestoso

快速にしかし過度にならないように、やや少し威風堂々と)ソナタ形式

印象的なオープニングで始まります。その後今後の展開を予想させる力強い演奏が続きます。

冒頭の、弦楽器のトレモロとホルンの持続音にのせて、調性の長短が不明な断片的動機が空虚五度の和音で提示され、それが発展して第1主題になるという動機の展開手法は非常に斬新なものです。第1主題は、ニ音とイ音による完全五度を骨格とした力強い主題であり、一度目は主調のニ短調で、冒頭がリピートされたのち二度目は変ロ長調で立ち現れるが、すぐにニ短調に戻り、強奏でこれが定着されます。第2主題導入部は、第4楽章で現れる「歓喜」の主題を暗示するような優しいものですが、これも変ロ長調で、通常、主調の平行調または属調で現れる提示部第2主題が下属調平行調になっています。それを引きついだコデッタ(小結尾)は形式どおり長調で展開されるが、弦と木管の応答部分では、同じフレーズが短調長調で交互に繰り返されるなど、長調短調の葛藤が垣間見られます。提示部はベートーヴェン交響曲で最も長大なためもあってか反復指定がありません。

展開部は再び、冒頭の和音で始まりますが、すぐに短調となり、第1主題がほぼ提示部と同じ長さ、変奏、展開されます。

再現部は展開部のクライマックスを兼ねるようなものとなっており、冒頭の和音と主題がffの全奏で再現されます。ティンパニもffのロールを持続しながら「ニ、イ」の主題動機の強打に参加し、圧巻のクライマックスが築かれます(提示部と再現部の冒頭の変奏の差はこれまでのベートーヴェン交響曲にも見られたが、ここでは特に大きい)。第2主題は再現部の定型通りニ長調で演奏され提示部以上に歓喜の歌を連想させますが、すぐさまニ短調に押し流され、以降、短調による激しい展開となります。コーダは最後、半音階を滑り落ちるような不気味なオスティナートに導かれ、それに全弦が誘い込まれたところで全奏となり、第1主題のユニゾンで締めくくられます。

 

第2楽章 Molto vivace - Presto - Molto vivace - Presto

(きわめて活発に速く、生き生きとー急速にー非常に生き生きと活発にー急速に)

複合三部形式をとるスケルツォ楽章です。スケルツォ部分だけでソナタ形式をとります。提示部、展開部・再現部ともに反復指定があります。

ティンパニの演奏とバイオリン小刻みな演奏が印象的な楽章です。

序奏として、第1楽章を受け継ぐような、ニ短調の主和音の降下が、弦楽器のユニゾンティンパニで出ますが、ユニークなことに、主和音でニ短調を決定づけるF音のオクターブに高低2音ともティンパニが調律されています。(通常、ニ短調の場合、ティンパニはAとDに調律される。ベートーヴェンは、既に第8番の終楽章(ヘ長調)で、Fのオクターブに調律したティンパニを使っていますが、それはヘ長調の主音であり、この9番の楽章はより冒険的です)このオクターブの基本動機がスケルツォ部分を支配しています。提示部では冒頭にこのオクターブの動機を置いた第1主題が疾走するように出てきて、フーガのように重なって増幅し、全奏で確保されます。経過句ののち第2主題に移りますが、主調が短調の場合、第2主題は通常平行調ニ短調に対してはヘ長調)をとるところ、ここではハ長調で現れます。また、1小節を1拍として考えると、提示部では4拍子、展開部では3拍子でテーマが扱われます。展開部ではティンパニが活躍します。(このことから、この楽章はしばしば「ティンパニ協奏曲」と呼ばれることがあります)再現部はオクターブの主動機をティンパニが連打しながら導きます。(ティンパニ奏者が高いFと低いFを両端に配置した場合、この部分で非常に派手なマレット(ばち)捌きを見せる場合があり、演奏会では視覚的にも見所です)再現部がティンパニのロール調の連打を加えた強奏で戻ってくるところも第1楽章と類似しています。最後、突然4分の4拍子となり、それが4分の4拍子の中間部(トリオ)を導きます。

中間部(トリオ)の旋律もまた、最終第4楽章の歓喜の主題を予感させます。(スケルツォの第1主題も短調だが歓喜の主題に似ているといわれることがあります。これらは意図的でなく、単に同一作曲時の類似だといわれることもあります)速度は更に速められてプレスト。オーボエによる主題提示の後、弦楽器群のフーガ風旋律を経てホルンが同じ主題を提示します。フルートを除く木管楽器群の主題提示の後、今度は全合奏で主題を演奏します。

三部形式後半のスケルツォは前半のリピート。しかし最後にまた突然4分の4拍子となるので、中間部の旋律が顔を出します。それに突然気が付いたように1小節全休符となり、スケルツォの最終部分で締めくくり直します。

 

第3楽章 Adagio molto e cantabile - Andante moderato - Tempo I - Andante moderato - Tempo I - Stesso tempo

神秘的な安らぎに満ちた緩徐楽章ですが、拍子、調性、テンポを変えることによって、変化がつけられています。木管の短い導入部のあと透明感のある第1主題を第1ヴァイオリンが静かに歌いだします。第2主題は4分の3拍子、ニ長調、アンダンテ・モデラートに変わり、やや動きを帯びます。続く第1主題の第1変奏では、第1主題が16分音符に分解されて演奏され、木管による第2主題の変奏がそれに続きます。そのまま木管による第1主題の第2変奏を経て、また第1主題の、第3変奏と続きますが、ここでは8分の12拍子に変わって、動きが大きくなる、長さも倍加するなど、第2主題を吸収したかのような変化が加わっています。末尾において、それまで沈黙していたトランペットとともに管楽器が鋭い歓声をあげ、弦楽器がそれに応えてクライマックスを迎えます。しかしすぐに元の安らぎと静けさを取り戻し、同音の三連符の伴奏に乗って静かに終結に向かいます。

 

第4楽章

Presto / Recitativo

管楽器の強烈な不協和音で始まる。しかし、すぐさま低弦(チェロとコントラバス)のレチタティーヴォがこれに答える。

Allegro ma non troppo

管弦楽が第1楽章冒頭を出す。しかし、再び低弦のレチタティーヴォがこれに答える。

Vivace

今度は第2楽章の主題が木管で出される。しかし、再度低弦のレチタティーヴォに中断される。

Adagio cantabile 

第3楽章をやはり木管が回想するが、これも低弦のレチタティーヴォに中断される。

Allegro assai

管楽器が、新しい動機を出す。(これは前の三つの楽章で断片的に姿を見せていた動機でもある)この動機に低弦が生き生きとした調子に変わり、他の楽器群も応答する。やがて低弦が静かに第1主題(「歓喜」の主題)を奏し始める。ヴィオラがそれに続き、ファゴットコントラバスの対旋律がそれを支える。さらに、歓喜の主題は第1ヴァイオリンに渡され、四声の対位法によって豊かなハーモニーを織り成す。最後に管楽器に旋律が渡され、全管弦楽で輝かしく歌い上げられる。

Presto / Recitativo

"O Freunde"

再び冒頭部の厳しい不協和音が、今度は管弦楽の全奏で演奏される。バリトン独唱が低弦のレチタティーヴォと同じ旋律のレチタティーヴォで"O Freunde, nicht diese Töne!"(「おお友よ、このような音ではない!」)と歌う。ここで初めて、冒頭から繰り返された低弦のレチタティーヴォの意味が、第1〜第3楽章までの音楽の否定であったことが明らかとなる。
今日の出版譜ではバリトンの歌い出しには「ラ→ミ」の跳躍に加え「ラ→ド♯」が記されているが、レチタティーヴォ後半部の高いファ#を出せない初演ソリストのために変更された代替パートで稀にしか歌われない。(このメロディーを選んだために音程が悪いと酷評されている大歌手もいる)初演ではまた細かい上下(メリスマ)部分のカットも検討されたようである。最後期筆写スコアには他にも代替案が残っているが、出版譜には反映されなかった。

Allegro assai 

"Freude, schöner Götterfunken"
Freude!(歓喜よ)の掛け声をバリトン独唱と合唱のバス(テノールも一緒に歌われることもある)が掛け合うと、バリトン独唱によって"Freude, schöner Götterfunken"「歓喜」の歌が開始される。旋律後半部を合唱がリピートする形で続く。次に独唱4人となり、やはり旋律後半部を合唱がリピートする。決め台詞の様に入るGott!で自筆スコアはアクセントではなくデクレシェンドを指示しており、現在も指揮者間で解釈が分かれる。

Alla marcia Allegro assai vivace

"Froh, wie seine Sonnen"
行進曲である。それまで沈黙を守っていた打楽器群が弱音で鳴り始め次第に音量を増し、その上を管楽器が「歓喜」の主題を変奏する。続いて、テノール独唱が「歓喜」の主題の変奏の旋律で"Froh, wie seine Sonnen"「神の計画」を歌い、それに男声三部合唱(第1テノール、第2テノール、バス)、続いて管弦楽の伴奏が力強く重ねて入ってきて一つの頂点を作る。
シンバルやトライアングルといったトルコ起源の打楽器が使われているためこの部分を「トルコ行進曲」と呼ぶ事があるが、拍子も装飾の付け方も(新しい研究では恐らくテンポも)本来のトルコ音楽とはかけ離れている。『第九』の30年前にベートーヴェンの師の一人であったヨーゼフ・ハイドン交響曲第100番『軍隊』でこれらトルコ起源の打楽器を使用しており、当時の流行が伺えるものの、時代を下るにつれ欧州各国の軍楽隊でシンバルやトライアングルは常備されるようになっていた。ベートーヴェンの後の世代となるロッシーニなどはもはやシンバルもトライアングルも軍隊と無関係な音楽で導入している。
高らかな男声合唱の余勢を受けて、管弦楽のみによるスケルツォ風のフガートの長い間奏が力強く奏される。それが収まったあと、全合唱が「歓喜」の主題と最初の歌詞を総括的に歌う(「第九の合唱」として最もよく聴かれる部分である)。

Andante maestoso

"Seid umschlungen, Millionen!"
初めて登場するトロンボーンの旋律をなぞりながら「抱擁」の詩が合唱により、中世の宗教音楽のように荘重に歌われる。

Adagio ma non troppo, ma divoto

"Ihr, stürzt nieder"
「創造主の予感」が引き続き歌われる。

Allegro energico, sempre ben marcato

"Freude, schöner Götterfunken" / "Seid umschlungen, Millionen!"
歓喜の歌」の旋律による「歓喜」と「抱擁」の2歌詞が二重フーガで展開される。

Allegro ma non tanto

"Freude, Tochter aus Elysium!"
独唱4人で、第1の「歓喜」の歌詞をフーガ風に歌う。それが絡み合うところに合唱が入ってきてそれを引き継ぐと、今度は逆に4人の独唱が入ってきて交替し、アダージョで順に(ソプラノ→アルト・テノールバリトン)3連符や16分音符で細かく余韻を持たせながら静まっていく。これ以降、独唱の部分はない。

Prestissimo

"Seid umschlungen, Millionen!"
第4楽章のクライマックスで、最もテンポが速い。自筆スコアは851小節にPrestissimoではなくPrestoを置いており、ベーレンライター版が採用した。916小節から4分の3拍子で4小節間Maestosoとなり、この曲でシラーの歌詞として冒頭に出た"Freude, schöner Götterfunken"が壮大に歌われたのち、再びPrestissimo(Presto)となり管弦楽のみの後奏で曲を閉じる。

 

さて、ベートーヴェンの第9番を「かずメーター」で評価しました。

第一楽章 98点

第二楽章 94点

第三楽章 93点

第四楽章 97点

やっぱ、いい曲ですね。

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お勧めのCDです。