交響曲、大好き!

交響曲といっても知られていないものも多いと思います。 皆さんが聞きなれた/聞いたことがない交響曲を紹介していければと思います。

シベリウス 交響曲第7番

さて、今回はシベリウス最後の交響曲、第7番についてお話したいと思います。

 

シベリウス交響曲第7番作品105は、1924年に完成されました。作曲開始は、交響曲第6番とほぼ同じ頃(1910年代)とされており、1915年初演の第5番から第7番はほぼ同時期に構想されたといわれています。1924年3月25日、ストックホルムの楽友協会コンサートで、作曲者自身の指揮で初演されました。

初演時は『交響的幻想曲』と名付けられていましたが、単一楽章というかなり変則的な形式を採用していたためで、単一楽章中に、通常の交響曲のようなソナタ形式の部分、緩徐楽章、スケルツォなどを織り込んだ作品で、構想の段階では3楽章形式をとる予定でした。交響曲として番号が与えられたのは翌年の出版時になります。

交響曲の様々な要素をひとつの楽章中に織り込んだ交響曲ともいうべきスタイルをとっており、第5番、第6番と書き進むうちに着想された新しいアイデアで、シベリウス交響曲全体に感じられる統合への意思が形としてようやく結晶化した作品と評されることがあります。この曲の神髄は、有機的に融合した交響曲の各要素を、凝縮された音の中で表現しきったことにあります。演奏時間は、平均的には22分程度となります。

 

交響曲とは銘打ってはいるものの、単一楽章のため、速度標語を以下に記します。

Adagio(序奏) - Vivacissimo - Adagio - Allegro molto moderato - Allegro moderato - Presto - Adagio - Largamente molto - Affettuoso

交響曲としては珍しい単一楽章の構成を取ります。これは、最初から意図して交響曲として作曲されなかったことによりますが、

 ✓ 全体を一つの拡大されたソナタ形式とみなすことも可能である
 ✓ 交響詩のような明確な標題を持たない
以上のことにより、交響曲としての分類が自然と考えられます。

さて、曲ですが、ティンパニのト音に続いて地の底から湧き上がるような弦の音階によってAdagioの序奏で音楽が静かに開始します。フルートがいくつかのエピソードを出した後、交響曲第6番のような厳かな雰囲気でヴァイオリンが序奏主題を奏でます。この序奏部にはすでに後で展開される多くの主題が含まれています。最初の上昇するような音型とその後の木管楽器が和声的に歌う音型、弦楽器でゆったりと流れるような音型、しばらく厳かな楽想が続いた後、それが高まったところで現れる第1主題ともいうべきトロンボーンが朗々と奏するソロの主題がこの交響曲のひとつの核心です。このトロンボーンの旋律は、中間部ではやや形を崩した形で現れ、終結部でもういちどほぼそのままの姿で再現されます。これに寄り添う旋律として、フルートによる上昇下降を繰り返す萌芽的なパッセージがあり、これは終結部においてもっとも長い完成された形で現れます。オーケストラの高揚の後、アダージョの2分の3拍子に代わり、さらに4分の6拍子のヴィヴァーチッシモの部分が登場するが、ここがスケルツォに相当する部分で、快活でリズミカルである。再び弦楽器の静かな部分に移行し、やがて波のような弦のうなりの上に再度トロンボーンの主題が鳴り響きます。その後、弦楽器と木管楽器の呼び交すような音型が現れ、アレグロモルトモデラートの部分に突入します。ヴィヴァーチェ部分に流れ込み、さらにはプレストとなります。この曲で最も活発な部分で、やがてトロンボーンに主題が登場しクライマックスを迎えます。

 

さて、かずメーターですが、

83点

になりました。結構、この説明を読みながら、曲を聴いて主題を探すと結構見つからない、これかな?こっちかな?と悩んでしまいます。ただ6番に比べるとメリハリは曲全体にあると思います。短くて、短調な曲ではないので飽きはこないと思います。

私の持っている全集はバーンスタインとコリン・デーヴィスを持っていますが両方とも聴きごたえ満点です。

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