ハイドン 交響曲第84~86番
さて、今回はハイドンの交響曲第84~86番についてお話します。
最初に第84番、
交響曲第84番 変ホ長調 Hob.I-84は、ハイドンが作曲した6曲からなるパリ交響曲の第4曲目です。パリの新しいオーケストラのコンセール・ド・ラ・オランピックからの委嘱により作曲された交響曲で、パリ交響曲の中では演奏されることが少ないが、ハイドン独自の創意と魅力に溢れた佳作となっています。
第1楽章 ラルゴ - アレグロ
ラルゴの導入部を持つソナタ形式の楽章。主部のアレグロ(2分の2拍子)は同じくソナタ形式。
第2楽章 アンダンテ
主題と4つの変奏からなる楽章。
第3楽章 メヌエット.アレグレット - トリオ
アレグレットのメヌエット楽章。メヌエット主題である16分音符と付点8分音符のリズムは、スコットランドのシンコペーションです。
第4楽章 フィナーレ.ヴィヴァーチェ
単一主題的な楽想によって構成されたヴィヴァーチェのフィナーレ楽章。推進力に溢れ、精細に富んでいます。
次に第85番、
交響曲第85番変ロ長調 Hob.I:85は、1785年頃に作曲した交響曲で、6曲からなるパリ交響曲の第4曲。(作曲順では2番目と考えられている) 「王妃」(フランス語でLa Reine)の愛称で知られています。名前の由来は定かではありません。一説にはフランス王妃マリー・アントワネットが特に気に入っていたからと言われています。
第1楽章 Adagio - Vivace
第2楽章 Romance: Allegretto
第3楽章 Menuetto; Allegretto
第4楽章 Finale; Presto
第1楽章は序奏を持ち、途中に交響曲第45番からの引用が見られます。第2楽章はガヴォットのリズムを持つ変奏曲で、ポール(Carl Ferdinand Pohl)によると「優しく若いリゼット」というロマンスから主題を取っているといいます。
最後に第86番
交響曲第86番ニ長調 Hob.I:86は、ハイドンが作曲した6曲からなるパリ交響曲の第6曲目。『パリ交響曲』の最後に属し、また楽器編成も『パリ交響曲』の中では規模が大きい。それ故に完成度は非常に高く作られ、より一層華やかな作品になっています。
第1楽章 アダージョ - アレグロ・スピリトーソ
アダージョの序奏(4分の3拍子)に続いて主部のアレグロ・スピリトーソ(4分の4拍子)で構成される楽章。
第2楽章 カプリッチョ.ラルゴ
ラルゴの緩徐楽章。4分の3拍子。カプリッチョと題されている。
第3楽章 メヌエット.アレグレット
アレグレットのメヌエット楽章。4分の3拍子。ミノーレを含ませて全曲に陰影を与えています。
第4楽章 アレグロ・コン・スピーリト
ソナタ形式によるフィナーレ楽章。4分の4拍子。
さて、かずメーターでは
第84番 83点
第85番 82点
第86番 83点
全体的に『ハイドン復活』を印象付ける明るく躍動的な曲です。個人的には第84番が好きですが、完成度でいうとやはり第86番なんでしょうか。
これから90番台、100番台とハイドンの反撃が開始されます。
<<広告>>