交響曲、大好き!

交響曲といっても知られていないものも多いと思います。 皆さんが聞きなれた/聞いたことがない交響曲を紹介していければと思います。

メンデルスゾーン 交響曲第3番

さて、今回はメンデルスゾーン交響曲第3番を取り上げたいと思います。

 

交響曲第3番『スコットランド』はメンデルスゾーン1830年から1842年にかけて作曲した交響曲です。メンデルスゾーンが完成させた最後の交響曲です。 「第3番」の番号は出版順によります。これより早い時期に作曲された第4番「イタリア」、第5番「宗教改革」の両曲はメンデルスゾーンの死後に出版されました。

スコットランド」という標題は、メンデルゾーンがこの曲を着想したのがスコットランド旅行中だったことによります。ロマン派音楽の交響曲として代表的な存在であり、4つの楽章は休みなく連続して演奏されるよう指示されています。しかし、各楽章は終止によって明確に区切られているため、連続性は緩やかであり、同じく全楽章を連続的に演奏するロベルト・シューマン交響曲第4番とは異なって、交響曲全体の統一性や連結を強く意図したものとは認められません。演奏時間は約40分。

1829年3月にメンデルスゾーンは、バッハのマタイ受難曲を蘇演し、5月に初めてイギリスに渡りました。スコットランドを旅したメンデルスゾーンは7月30日、エディンバラのメアリ・ステュアートゆかりのホリールードハウス宮殿を訪れ、宮殿のそばにある修道院跡において、16小節分の楽想を書き留めました。これが「スコットランド」の序奏部分であり、この曲の最初の着想となりました。しかし、翌1830年にはイタリア旅行して、第4交響曲「イタリア」の作曲にかかり、1835年にはライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の指揮者となるなど、多忙のために「スコットランド」の作曲は10年以上中断されました。

全曲が完成したのは1842年1月20日、ベルリンにおいてで、メンデルスゾーンは33歳になっていました。メンデルスゾーンモーツァルト同様、速筆で知られますが、この曲に関してはその例外ということになります。

初演は1842年3月3日、メンデルスゾーン自身の指揮、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団により行われました。

同年5月に7度目のイギリス訪問を果たしたとき、メンデルスゾーンはバッキンガム宮殿でヴィクトリア女王に謁見し、この曲を女王に献呈する許可を得ました。献辞付きの楽譜は翌1843年に出版されました。

 

第1楽章 Andante con moto — Allegro un poco agitato

序奏付きのソナタ形式(提示部リピート指定あり)。

序奏は、幻想的かつ悲劇的な旋律で始まります。旋律の初め、属音から主音に4度跳躍して順次上行する4音からなる音型は、各楽章の主題と関連があり、全曲の基本動機的な役割を果たしています。序奏はかなり長く、物語るように発展しますが、やがて始めの旋律に戻り、主部に入ります。 主部は弦とクラリネットが弱音で第1主題を提示します。主題は序奏動機に基づき、繰り返しながら急激に盛り上がります。第2主題はホ短調クラリネットで奏されますが、弦の第1主題の動機が絡んでいるためにあまり目立ちません。小結尾では弦に詠嘆的な旋律が現れます。提示部は繰り返し指定がありますが、実際に繰り返す演奏は少ないです。展開部は弦の長く延ばした響きで開始され、各主題を扱います。再現部は短縮されています。コーダは展開部と同じように始まり、すぐに激しく興奮しますが、やがて序奏の主題が戻ってきて静かに楽章を締めくくります。

第2楽章 Vivace non troppo

ソナタ形式

スケルツォ風の楽章。短い前奏につづいて、木管スコットランド民謡を思わせる旋律を示します。これが第1主題で、第1楽章の序奏主題の動機に基づきます。第2主題はハ長調、弦のスタッカートで順次下行します。展開部では第1主題を主に扱い、各楽器がこの主題を追いかけるように奏し合います。再現部では第2主題が強奏されて効果を上げます。

第3楽章 Adagio

ソナタ形式

短い序奏があり、イ短調からイ長調に変わります。主部は、歌謡的な第1主題が第1ヴァイオリンで、それに応えるように葬送行進曲風の第2主題がクラリネットファゴット、ホルンで厳かに提示され、クライマックスを築きます。再び穏やかな小結尾の後に、短い展開部に入りますが、ここでは序奏と第2主題が取り扱われます。その後、ほぼ型通りの再現部の後、長めのコーダに入ります。

第4楽章 Allegro vivacissimo — Allegro maestoso assai

ソナタ形式

低弦が激しくリズムを刻み、ヴァイオリンが広い音域を上下する第1主題を示します。第2主題はホ短調木管楽器で出されますが、弦によるハ長調の勇壮な対句を伴っています。この主題も第1楽章の序奏主題と関連があります。展開部では、第1主題と経過句の動機が主に扱われます。再現部は短縮され、コーダに入ると、第1主題に基づいて激しく高まりますが、波が引くように静まって、第2主題が寂しげに奏され、いったん全休止となります。テンポを落として6/8拍子になり、低弦が新しい旋律をイ長調で大きく歌います。これも第1楽章の序奏主題の動機が組み込まれています。この新しい主題によって壮大に高まり、全曲を明るく結びます。

指揮者のオットー・クレンペラーは、このコーダについて批判的意見を持っていました。クレンペラーが「スコットランド」を指揮した録音では、1960年フィルハーモニア管弦楽団とのスタジオ録音(EMI)が一般に知られていますが、これは通常の演奏です。しかし、同レーベルで1966年にバイエルン放送交響楽団を指揮したライヴ録音では、第4楽章のコーダの後半95小節分をカットし、第4楽章の第2主題に基づく独自のコーダを演奏したものが残されています。この演奏では、イ長調の新たな旋律は現れず、音楽は短調のまま、静かに閉じられます。

 

さて、かずメーターですが

第一楽章 84点

第二楽章 82点

第三楽章 82点

第四楽章 83点

CDの演奏が第四楽章まで連続しているため評価がむずかしかったのですが、あくまで指標なので平均83点という感じですね。いい曲です。

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お勧めのCDです。