交響曲、大好き!

交響曲といっても知られていないものも多いと思います。 皆さんが聞きなれた/聞いたことがない交響曲を紹介していければと思います。

ブルックナー 交響曲第2番

さて、今回からブルックナーを取り上げたいと思います。

本音を言えば、ブルックナー、苦手です。世界観が合わないというか…でも好きな人は好きなんですよね。

 

では交響曲第2番についてですが、

1872年に最初の稿が完成された交響曲で、彼が番号を与えた2番目の交響曲にあたります。

1868年、44歳のブルックナーは、ウィーンに移り、ウィーン音楽院の通奏低音、対位法、オルガンの教授とウィーン宮廷礼拝堂のオルガン奏者の地位に就きました。同時にそれまでのリンツ大聖堂とリンツ市立聖堂のオルガン奏者の地位は、その後2年間兼任しました。翌1869年4月にはナンシーへ旅行をしました。その後、パリに赴きオルガン演奏会を開いたところ、サン=サーンスやフランクに絶賛されます。これに自信を得たブルックナーは、1871年にロンドンでオルガン・コンクールに出席し、8月には第1位を獲得しました。その後しばらくロンドンで過ごした後、10月11日に本交響曲を書き始めました。

ブルックナーは、交響曲第1番のあと、1869年にニ短調交響曲を作曲し、当初この作品に「第2番」の番号を与える意図を持っていましたが、出来ばえに自信をなくしこの作品を封じてしまいました(このニ短調の曲は、現在「交響曲第0番」と呼ばれている曲です)。

この作品は1872年に初稿が完成し、同年、この稿による初演を第1交響曲に感動した友人である指揮者デッソフにより計画されますが中止されました。理由は、パート譜を見たオーケストラ団員の一部から演奏不可能との意見がでるなど騒ぎが大きくなり、デッソフ自身も本交響曲に対し十分な理解や共感を得られなかったことによります。そのため翌1873年に改訂がなされ、同年10月26日に、ブルックナー自身がウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮して、この曲は初演されました。

1876年、この曲の再演に際して細部の改訂がなされ、翌年にはヘルベックの助言により、この曲は大幅改訂されました。その後、初版出版に際して1891年から1892年に細部の改訂がなされました。

世界初演は、1873年10月26日ブルックナー指揮のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団により行われました。この時の演奏会は、前半がブルックナーのオルガン独奏でバッハの『トッカータとフーガ ニ短調』、次いで即興演奏(一般的に、優れたオルガニストの多くはミサに必要な即興演奏の技術を習得していました)、後半がウィーンフィルによる交響曲第2番の初演でした。

1892年、ドブリンガー社から初版が出版されました。これは、1892年までの改訂に加え、さらに弟子の校訂が加わっていると言われています。

その後、国際ブルックナー協会の原典版編纂により、1938年にハース版が出版されました。ところがこのハース版は、1877年稿をベースにし、一部1872年稿を採用したものとなっていました。ローベルト・ハース自身そのことを明記して出版しましたが、このような校訂姿勢はのちにレオポルト・ノヴァークが批判するところとなりました。

国際ブルックナー協会の校訂作業がノヴァークに代わった後、まず1965年に、1877年稿に基づくノヴァーク版が出版されました。これはハース版から1872年稿を排除したものです。当時は単に「ノヴァーク版」と称されましたが、後に1872年稿が出版されたため、これは「第2稿」とも呼ばれるようになりました。ノヴァークは1872年稿の校訂・出版も計画していたが、それを実現せず1991年に死去しました。

その後、ウィリアム・キャラガンがこの交響曲の校訂を引き継ぎ、1872年稿・1873年稿を校訂するとともに、1877年稿を再校訂しました。1872年稿・1873年稿については、1991年にクルト・アイヒホルン指揮リンツブルックナー管弦楽団がCD録音しました。これらが収録されたCDの解説書には、キャラガン自身によるこれらの稿の解説が含まれていました。2005年には、国際ブルックナー協会から1872年稿が出版され「第1稿」と呼称するようになりました。同時にそれまで出版されていたノヴァーク版第2稿もキャラガンが再校訂し、「1877/1892年稿」と称して出版されるようになりました。

キャラガン1872年稿は第1、第4と緩徐楽章において、ハース版・ノヴァーク版との大きな違いがあります。またスケルツォ楽章の順番が緩徐楽章と入れ替わっており、第2楽章にスケルツォ、第3楽章に緩徐楽章が置かれています。

なお、キャラガン1872年稿と1873年稿は第4楽章の後半~終結部に大きな違いが存在します。現在の出版譜は「1872年稿=第1稿」「1877/1892年稿=第2稿」として扱われています。1873年稿については現時点では未出版です(ただし、出版されている1872年稿の中で、一部言及・併記されています)。キャラガン1872年稿が出版後、若手指揮者を中心に、ここ数年でキャラガン1872年稿での演奏・録音が増えています。

演奏時間は初稿が約70分、第2稿が約60分でした。

 

第1楽章

Moderatoモデラート) - ノヴァーク版

Ziemlich schnell(かなり急速に。) - ハース版

ソナタ形式。ヴァイオリン、ヴィオラトレモロの中から、チェロが第1主題を演奏します。これはブルックナー開始と呼ばれています。

チェロの付点リズムがヴァイオリンに移ると、トランペットの3連音符と付点による信号風リズムが現れます。第1主題の確保と発展が行われ、次第に力を弱めるとティンパニがそれまでトレモロを続けていたG音をpppで3連打し、1小節の休止の挟んで第2主題部へ移ります。第1ヴァイオリンの浮遊するような音型の下で、チェロが変ホ長調で第2主題を提示します。

弦に新しい推進的な音型が現れた後、第3主題も変ホ長調でオスティナートの伴奏の上に木管で提示されます。

次第に高揚し、金管が付点リズムの信号動機を奏して頂点をつくります。しずまって弦が残ると小結尾に入り、愛らしい小結尾主題がオーボエクラリネットファゴットへと受け継がれます。休止の後、ヴィオラトレモロが現れ、低音弦が第1主題の断片を出して展開部へ入ります。展開部は主に第1主題を扱いながら高揚し、第3主題の伴奏の音型や第2主題も加わります。やはり休止の後、再現部へ入ります。第1主題は今度は管も加わって豊かに再現されますが、第2主題、第3主題、小結尾ともに型どおりの再現となっています。コーダは比較的長大で低弦の第1主題の断片が繰り返されるが一旦萎みます。再度、第1主題の断片が繰り返され信号動機も加わってクライマックスを作り上げます。一度静まってからチェロが第1主題を奏で、ファゴットとフルートに導かれてまた頂点を作って曲は終わります。 尚、キャラガン1872年稿では展開部に相違があり、展開の推移が幾分長くなっています。

 

第2楽章(1872年稿では第3楽章)

Andante. Feierlich, etwas bewegt(アンダンテ。荘重に、いくぶん運動的に。) - ノヴァーク版

Adagio. Feierlich, etwas bewegtアダージョ。荘重に、いくぶん運動的に。) - ハース版

ロンド形式(A-B-A-B-A-Coda)。法悦的な音楽で、後の長大なアダージョの萌芽がここにあります。形式はいつものようにベートーヴェン交響曲第9番の緩徐楽章から来ています。弦のオルガン風な響きに導かれて、第1ヴァイオリンが静かに柔和にAを奏で、対位法的に進みます。木管も加わり、ヴァイオリンとヴィオラの応答にファゴットも加わると、半小節の休止があり、Bが弦のピッツィカートとホルンで現れます。弦のテーマを木管が受け継ぐBの後半部分は1877年稿でカットされましたが、上述の通りハース版では (vi-) (-de) で残されています。Aの2度目の再現でクライマックスが築かれたのち、それ以前にも兆しを見せていたミサ曲第3番ヘ短調(英語版)(1868年)のベネディクトゥスが明確に引用されています。コーダでは主要主題を扱いながら曲は静かに結ばれます。最後の旋律はハース版がホルンで奏され、ノヴァーク版とキャラガン1872年稿ではクラリネットで受け持っています。尚、キャラガン1873年稿ではコーダのヴァイオリン・ソロに至るくだりがヴァイオリン・ソロ楽節で長く演奏されますが、1872年稿にはこの楽節はありません。

 

第3楽章(1872年稿では第2楽章)

Scherzo. Mäßig schnell - Trio. Gleiches Tempoスケルツォ。適度に速く ― トリオ、(主部と)同じテンポで。) - ノヴァーク版

Scherzo. Schnell - Trio. Gleiches Tempoスケルツォ。急速に。 ― トリオ、(主部と)同じテンポで。) - ハース版

三部形式。粗野なスケルツォで、ブルックナーの原始的な性格がここに反映されます。トランペットとトロンボーンを除いた全楽器でスケルツォ主題が強烈に提示されます。トリオはハ長調レントラー風なものでヴァイオリンによるトレモロの上でヴィオラが主題を奏していきます。ハース版とキャラガン稿ではスケルツォ提示部、再現部とトリオにそれぞれ反復が指定されています。第1番、第0番交響曲と同じくコーダが付いているのは初期の特徴です。

 

第4楽章

Finale. Ziemlich schnell(終曲。かなり急速に。) - ノヴァーク版

Finale. Mehr schnell(終曲。より速く。) - ハース版

ソナタ形式。ヴァイオリンの細かい動きで静かに始まります。

徐々に力を増し、ffで第1主題が示されます。冒頭部分がもう一度現れた後、第2主題はイ長調で示されます。ヘ短調ミサ曲からは「キリエ」が引用される。コーダではハ長調に転じて全曲を明るく締めくくります。

 

では、かずメーターですは、

第一楽章 82点

第二楽章 81点

第三楽章 84点

第四楽章 82点

いや~、むずかしいですね。ブルックナー好きの人にはたまらないのでしょうね。

 

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お勧めのCDです。