モーツァルト 交響曲第41番
ついに来てしまいましたね。
交響曲第41番はローマ神話の最高神ユーピテルにちなんで『ジュピター』(ドイツ語ではユーピター)のニックネームを持ちますが、これは同時代のヨハン・ペーター・ザーロモン(1745年 - 1815年)が名付けたとヴィンセント・ノヴェロ(1781年 - 1861年)の『モーツァルト巡礼』(1855年)に紹介されており、このニックネームは19世紀半ばにはすでに広く知れ渡っていたと考えられます。本作品のスケールの大きさ、輝かしく荘厳な曲想から付けられた通称であり、標題的な意味合いはありません。
1788年8月10日に完成された。同年に作曲された第39番(6月26日)、第40番(7月25日)とともに「3大交響曲」と呼ばれます。他の2曲同様、作曲の目的や初演の日時は不明であるが、モーツァルトの生存中には演奏されていたと見られます。
モーツァルトを崇敬していたリヒャルト・シュトラウスは、1878年1月26日にルートヴィヒ・トゥイレに宛てた手紙において、ジュピター交響曲を「私が聴いた音楽の中で最も偉大なものである。終曲のフーガを聞いたとき、私は天国にいるかの思いがした」と称賛しており、1926年に自身の指揮で録音も行なっています。
自筆稿は現在ベルリン国立図書館にあります。
終楽章と同様に、数々の動機を複雑に組み合わせた構成をとっています。序奏なしで、16分音符の3連符による音階の上昇を伴った力強いハ音の連打の動機と、伸びやかで優しい旋律的動機が組み合わされ、それが次にト音の連打で繰り返される第1主題で始まります。弾むようなファンファーレのリズムがこれを受け継ぎます。これらが混合、対位されながら進み、半音階の上昇を伴った柔らかな第2主題に至ります。
それを第1主題の伸びやかな旋律が受け継ぐが急に途切れると、モーツァルトならではの無邪気な終結主題が現われ提示部を終えます。
展開部の前半はこの最後に現われた主題を引き継いだ楽想が短調で展開されますが、後半は第1主題冒頭の動機が展開され、そのまま再現部を導きます。再現部は短調で再現される部分もあるがほぼ型どおりに進み、短いコーダがついて終わります。
第2楽章 アンダンテ・カンタービレ
ソナタ形式。
弦楽器は弱音器が付けられ、ティンパニとトランペットは休みとなる静かな緩徐楽章。
第3楽章 メヌエット:アレグレット
ゆるやかに下降する主題で始まる優美なメヌエット。
トリオの後半では、第4楽章のジュピター音型がイ短調で「ソ#-ラ-レ-ド」という形で先取りされます。
高度で複雑なフガートの技法が用いられたソナタ形式。ジュピター音型と呼ばれる「ド-レ-ファ-ミ」の動機Aで始まる第1主題はこのジュピター音型のほか、続く5小節からの動機Bと、19小節からのファンファーレ風の始まりオクターブを駆け下りる動機Cの三つの動機を持っています。第1主題提示のあと、36小節からジュピター音型(動機A)によるフガートが進み、56小節から音階を6度上昇する動機D1、跳躍する動機D2が現われます。74小節からの第2主題部は動機Eで始まり動機Cを伴った柔らかなものですが、動機D1が入ってきて力強く盛り上がります。提示部終結部は動機Bで力強く進み、動機Cの上行形も現れて締め括ります。展開部は動機Aで始まり動機Cが加わり、主に動機Cが展開されます。225小節からの再現部では動機Aが移高しながら繰り返されて緊張を増しますが、提示部にあったフガート部分は存在せす、第2主題へ進みその後は型どおり再現されます。コーダでは、第2主題も参加したすべての動機が充実した対位法で登場したあと、第1主題が堂々と現われ、華やかに全曲を閉じます。
さて、かずメーターですが、
第一楽章 86点
第二楽章 81点
第三楽章 81点
第四楽章 85点
さすがとしか言いようがないのですが、あまりクラシックを聴かない方は第二、三楽章は眠くなってしまうかもしれません。ということで点数は辛くなっています。
さて、長かったモーツァルトの交響曲の世界、いかがだったでしょうか。
他の曲でもそうですが新たな感想や情報を入手しましたら以前取り上げた曲の記事も更新まいりますので、お読みいただければ幸いです。