交響曲、大好き!

交響曲といっても知られていないものも多いと思います。 皆さんが聞きなれた/聞いたことがない交響曲を紹介していければと思います。

ドヴォルザーク 交響曲第8番

今回はドヴォルザークの名曲、第8番についてお話します。

ドヴォルザーク交響曲っていうとすぐ第9番「新世界より」っていうんですけど、音楽知っている人って第8番の方を推すですよね。私ですか?8番派です(笑)。

 

第7番以前の交響曲にはブラームスの影響が強く見られ、また第9番『新世界より』ではアメリカ滞在のあいだに聞いた音楽から大きく影響を受けているため、この交響曲第8番は「チェコの作曲家」ドヴォルザークの最も重要な作品として位置づけることができます。ボヘミア的なのどかで明るい田園的な印象が特徴的で、知名度の点では第9番には及ばないものの、第7番などと同様に人気のある交響曲です。

なお、第1楽章の展開部の入り(提示部が繰り返されるかのように始まりながら、展開されていく)、再現部の入り(提示部とは明らかに違った形で始まる)の処理、第4楽章が変奏曲であること、主調が平行調の関係にあることなど、形式面で、ブラームス交響曲第4番との共通性が見られるのは興味深いところです。

1889年の8月から11月にかけて、ボヘミアのヴィソカ(チェコ語版)で作曲され、1890年、プラハにて作曲者の指揮で初演されました。

 

ドヴォルザークは、すべての作品をジムロック社から出版する契約を結んでいましたが、ジムロック社は低い作曲料を上げようとせず、また小品ばかり要求し(この交響曲第8番の作曲の際も1000マルクしか支払おうとしなかったそうです)、交響的変奏曲や弦楽五重奏曲第2番、交響曲第5番などでは彼の意向を無視した作品番号を勝手に付与していたため、ドヴォルザークは契約を一方的に破棄してイギリス、ロンドンのノヴェロ社からこの作品を出版しました。そのため、かつては『イギリス』という愛称で呼ばれることもありましたが、音楽の内容はイギリスというよりもむしろチェコであり、最近では『イギリス』と呼ばれることはほとんど無くなりました。私は今までイギリスで出版されたので歌文句で「イギリス」とつけたと思っていました(笑)

 

第1楽章 Allegro con brio

自由なソナタ形式ト短調による序奏で開始されます。このト短調の序奏はこの後も二度にわたって再現されるため、第1主題の一部という解釈も存在しますが、楽想が完全に独立していることと調性が違うことから序奏とみるのが一般的であるそうです。ティンパニの連打が盛り上がり、フルートに導かれて明るい第1主題がト長調で現れます。第2主題はロ短調木管に現れます。小結尾主題も力強く明るい。第7交響曲同様、この提示部にも反復の指定はありません。再びト短調の序奏が現れ、展開部に入ります。第1主題を中心に劇的に展開され、クライマックスを形成していきます。その頂点で序奏が回帰し再現部へ入ります。第1主題は提示部と同じように木管に現れますがほとんど発展せずに第2主題部へ移行し、小結尾も型どおりに再現されます。そのまま劇的なコーダへなだれ込み、テンションを維持したまま曲を閉じます。

 

第2楽章 Adagio

自由な三部形式。中間部は長調に転じ、フルートとオーボエのソロの後にヴァイオリンのソロが現れます。コーダで中間部が回想されます。ところどころ激しく感情的な部分があるが、最後はハ長調で静かにおわります。ドヴォルザークらしい独創性に富んだ楽章です。

 

第3楽章 Allegretto grazioso - Molto vivace

三部形式。全曲中最も有名です。3拍子の舞曲で、スケルツォではなくワルツ風です。中間部の旋律は、歌劇『がんこな連中』からとられたものであり、ト長調4拍子となる力強いコーダもまた同じ素材を元にしています。

 

第4楽章 Allegro ma non troppo

自由な変奏曲。全体は主題と18の変奏からなりますが、ブラームス交響曲第4番の終楽章を参考にしたらしく、全体はソナタ形式風のものにまとめられています。トランペットによるファンファーレの導入のあと、ティンパニのソロがあり、チェロによって主題が静かにゆっくりと提示されます。ゆっくりのままで何度か変奏されたのち、次は力強く速く変奏されます。ここではホルンのトリルが特徴的です。第4変奏が終わり、短い経過句の後、第2主題に相当するハ短調の第5変奏が始まります。しばらくはこの主題を元に激しく展開し、短い展開部を経て、導入のファンファーレが戻ると再現部に相当する部分に入ります。提示部の主題と同じく穏やかな気分で変奏が行われ、しばらくして休符があると、輝かしいコーダに入ります。

 

さて、かずメーターですが、

第一楽章 94点

第二楽章 90点

第三楽章 92点

第四楽章 94点

となりました。いい曲です。是非とも一度は聴いてほしい曲です。

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お勧めのCDです。