交響曲、大好き!

交響曲といっても知られていないものも多いと思います。 皆さんが聞きなれた/聞いたことがない交響曲を紹介していければと思います。

ブラームス 交響曲第2番

今回は、ブラームスの第2番についてお話します。

ブラームスって第1番の印象が強すぎて、2番以降の人気があまり芳しくありません。2番に至っては、収録から飛ばされている作品も多く、第1番とブラームスの序曲集、そして第3番と第4番のカップリングって結構あるんですよね。私の好きな指揮者「シャルル・ミュンシュ」でさえ同様なCD集が存在しています。

それだけ軽く扱われている第2番ですが、聴いてみると1番ほどではありませんが3番、4番に負けるとは思わないのです。第一主題なんかとてもいい旋律ですし、全体の構成も優れています。牧歌的な曲を作っても「さすがブラームス!」という感じです。是非とも手を伸ばしていただきたいと思います。

 

1877年6月、ブラームスは南オーストリアのケルンテン地方、ヴェルター湖畔にあるペルチャッハに避暑のため滞在、第2交響曲に着手し、9月にはほぼ完成しました。10月にバーデン=バーデン近郊のリヒテンタールに移り、そこで全曲を書き上げています。4ヶ月間の作曲期間は、第1交響曲が推敲を重ねて20年あまりを要したのと対照的ですが、第1交響曲の作曲中にも準備が進められていたという説もあります。

ブラームスは、ペルチャッハから批評家エドゥアルト・ハンスリックに宛てた手紙に「ヴェルター湖畔の地にはメロディがたくさん飛び交っているので、それを踏みつぶしてしまわないよう、とあなたはいわれることでしょう。」と書き送っている。その後ブラームスは2年間続けてペルチャッハで夏を過ごし、この地でヴァイオリン協奏曲やヴァイオリンソナタ第1番「雨の歌」などが生み出されました。ブラームスの親友のひとりである外科医のテオドール・ブルロートは、第2交響曲に接して「ペルチャッハはどんなに美しいところなのだろう。」と語ったとされています。

1877年12月30日、ハンス・リヒター指揮のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によって初演されました。この初演は大成功で、第3楽章がアンコールされました。翌年9月にブラームスは故郷のハンブルグに招かれ、自身の指揮によって再演を果たしています。

 

第1楽章 Allegro non troppo

冒頭に低弦が奏するD-C#-D(ニ-嬰ハ-ニ)の音型が全曲を統一する基本動機となっています。ホルンが牧歌的な第1主題を演奏し、木管がそれに応えます。ヴァイオリンが基本動機に基づく明るい旋律を歌う経過句の後、チェロが第2主題を演奏します。この主題の冒頭は「ブラームスの子守歌」として親しまれている子守歌op.49-4を嬰ヘ短調にしたものを基にしており、イ長調へ向かいます。提示部には反復指定がありますが、あまり実行されません。展開部では、主として第1主題を扱い、経過句や基本動機も加わります。第1主題に基づくトロンボーンの響きが次第に高まってクライマックスを築きます。緊張が緩んだところで再現部となります。コーダでは、独奏ホルンや弦楽の幻想的な響きが聴かれ、木管が基本動機に基づく旋律を示し、次第に弱くなって結ばれます。「沈みゆく太陽が崇高でしかも真剣な光を投げかける楽しい風景」(クレッチマー)と表現されることもあります。

 

第2楽章 Adagio non troppo - L'istesso tempo,ma grazioso

自由なソナタ形式

チェロの第一主題から始まり、これがフルートとヴァイオリンによって繰り返されます。その後、ホルンののどかな旋律が奏でられ、それがオーボエ、フルートなどに受け継がれます。この旋律は、第一楽章の第一主題を用いたものです。続いて、木管による優美な第二主題が現れ、これが次第に厚みを増して奏されたのち、弱まっていきます。この後、ヴァイオリンに別の音型が現れ、低弦の細かい動きを伴って進み、展開部に入ります。

 

第3楽章 Allegretto grazioso (Quasi andantino) - Presto ma non assai - Tempo I

ABABAの形式。Aはチェロのピチカートに乗ってオーボエが吹く主題。基本動機の反行形です。Bは2/4拍子でテンポが速くなるが、主題自体はAの変奏で弦が演奏されます。二つめのBは3/8拍子に変えられています。

まず、オーボエの素朴な主題(第一楽章の基本動機を用いたもの)が木管のあたたかな和音、チェロのピッツィカートの伴奏を伴って始まります。この後、曲は倍速になり、軽快なスケルツォ風の部分に入ります。ここでの主要主題は、冒頭の主題の変形であり、この中間部でも基本動機を展開させています。次第に曲は落ち着いていき、テンポが元に戻ると、前の主題が再現されます。

第4楽章 Allegro con spirito

ソナタ形式

弦によって静かな第一主題(ここでも基本動機が用いられている)が奏でられ、それに管楽器を加えて明るい旋律が続きます。その後、管と弦の強烈な音型や、木管の柔らかい旋律が奏でられたのち、ヴァイオリンとヴィオラの穏やかな第二主題が現れます。
展開部では短調になり、第一主題が展開されていきます。その後急に音楽は静まり、木管と弦が基本動機を用いた三連符で応答します。しばらくの静けさののち、第一主題が再び姿を現し、再現部に入ります。

 

かずメーターでは

第一楽章 かずメーター 90点

第二楽章 かずメーター 87点

第三楽章 かずメーター 88点

第四楽章 かずメーター 89点

絶対にいい曲ですので(ブラームスに悪い曲なんてないですけど!)ぜひ聞いていただきたいと思います。

love-classical-musics.hatenablog.com

www.youtube.com

 おすすめのCDです。