ベートーヴェン 交響曲第7番
ベートーヴェンの交響曲のうち一番演奏される交響曲ってしってますか?実は第7番なんですよ。弦の流れるような演奏がとても魅力な一曲です。そう、「のだめ」の曲です。
第5番や第6番におけるさまざまな新たな試みの後に、再び正統的な手法による交響曲に回帰した作品です。
ワーグナーは各楽章におけるリズム動機の活用を指して、この曲を舞踏の聖化(Apotheose des Tanzes)と絶賛しています。その一方で、ウェーバー「ベートーヴェンは今や精神病院行きだ」との言葉を残し、ワイインガルトナーは「他のいかなる曲よりも精神的疲労を生じさせる」と語っているなど、音楽家からの評価は様々です。
作曲は1811年から1812年にかけて行われ、初演は、1813年12月8日、ウィーンにて、ベートーヴェン自身の指揮で行われました。同じ演奏会で初演された『ウェリントンの勝利』の方が聴衆の受けはよかったとされますが、それでも初演は成功で、第2楽章ではアンコールを求められました。
第1楽章 Poco Sostenuto-Vivace 序奏付きソナタ形式(提示部反復指定あり)。
(音の長さを十分保って、活発に)
トゥッティで四分音符が強く奏され、オーボエがソロで奏でます。そして、16分音符による長大な上昇長音階が特徴的な序奏の後、付点音符による軽快なリズムの音楽が始まります。
第1主題はフルートの楽しげなソロによって提示されます。そこから付点音符の動機が全曲を通して反復されるため第2主題との対比は少ないです。軽快なリズムが主題部展開部再現部すべてを支配しておりワーグナーの評が示す通りである。展開部は弦と管の対比応答が目覚ましいです。コーダでは22小節に渡って持続される低弦によるオスティナートが、混沌としたままppからffまでを導き、最後に、弦と管が応答を繰り返したのち一体化し終結になだれ込みます。曲を締める音は主音のド(イ音)ではなく第3音のミ(嬰ハ音)です。
途中弦楽器が弾く主和音(ラド#ミ)と木管楽器の下属和音(レファラ)が並走する285小節は19世紀末から転調の誤りと捉えて修正される事があり、20世紀初期に出版されたオイレンブルクやペータース社のMax Unger校訂版スコアでも小節後半で弦楽器の音程を修正しています。
第2楽章 Allegretto
初演時に聴衆から特に支持された楽章です(かっこいいですものね)。
シューマンはこの主題を基に変奏曲を遺しているし、ワーグナーはこの楽章をさして「不滅のアレグレット」と呼んでいます。複合三部形式の主部は変奏曲の形式であり、かたくなに同音が反復されつづける静的な旋律でありながらも、和声的には豊かに彩られています。最初の三小節でホルンと木管が奏でる印象的な和音のあとに、弦楽器で主題が奏でられ、その後に哀愁を帯びたオブリガートが絡む変奏が続きます。後半をリピートした主題を弦楽器の低音の提示を含めて四度演奏し、最後に全楽器によるフォルテに至るのは第九の歓喜の旋律の提示展開と同じです。
「アレグレット(少し速く)」は、この曲の全楽章の中では最も遅い速度設定です。
第3楽章 第3楽章 Presto, assai meno presto
(急速なテンポで、非常により急速なテンポで)
形式的には三部形式となっているものの、トリオは2回現れ、ABABAの型になっています。最初のスケルツォ部分のみ反復指定が為されています。コーダでは第9番の第二楽章と同様にトリオが短く回想されます。
第4楽章 Allegro con brio ソナタ形式(提示部反復指定あり)。
(快速に、生き生きと)
熱狂的なフィナーレ。第2楽章同様、同一リズムが執拗に反復され、アウフタクト(弱拍)である2拍目にアクセントが置かれています(現代のロック、ポップスにおけるドラムスの拍子のとり方と同じである)。第1主題は後年の資料研究からアイルランドの民謡「ノラ・クレイナ」の旋律からとられたとされています。この第1主題は主和音ではなく属七の和音で始まります。第1楽章同様、コーダでは低弦によるオスティナートが演奏されます。
さて、ベートーヴェンの第7番を「かずメーター」で評価しました。
第一楽章 93点
第二楽章 92点
第三楽章 90点
第四楽章 93点
この曲もいい曲ですよね。元気がないときなんか最高ですよね。
お勧めのCDです。