ベートーヴェン 交響曲第4番
今回はベートーヴェンの交響曲第4番についてお話したいと思います。
本交響曲はスケッチ帳の紛失のため正確な作曲時期は不明ですが、1806年夏ごろから本格的な作曲が始められています。この年はベートーヴェンの創作意欲が旺盛な時期であり、この作品も比較的短期間に仕上げられている。10月中には作品が完成し、献呈先のオッペルスドルフ伯爵に総譜が渡されたと考えられています。
ベートーヴェンの交響曲の中では古典的な均整の際立つ作品で、ロベルト・シューマンは、「2人の北欧神話の巨人(第3番と第5番のこと)の間にはさまれたギリシアの乙女」と例えたと伝えられています。また、エクトル・ベルリオーズは「スコアの全体的な性格は生き生きとしていて、きびきびとして陽気で、この上ない優しさを持っている」と評しました。
初演は1807年3月、ロプコヴィツ侯爵邸で開かれた私的演奏会で、ベートーヴェンの指揮によって初演されました。なお、同じ演奏会で『コリオラン』序曲とピアノ協奏曲第4番も初演されています。公開初演は1807年11月15日にブルク劇場で行われた慈善演奏会において、やはりベートーヴェンの指揮で行われました。
- 第1楽章 Adagio - Allegro vivace、ソナタ形式
- 重苦しい雰囲気からいきなり明るい力強い曲調に変わっていく楽しみのある楽章です。
- 第2楽章 Adagio
- 展開部を欠くソナタ形式。Adagioなので遅く静かに音は流れていきます。そう、音が流れていくってぴったりな楽章です。
- クラリネットが物悲しく鳴り響くところや、ティンパニの独奏に注目です。
- 第3楽章 Allegro vivace
- スケルツォ楽章なのですが、楽譜には「スケルツォ」と明示されていません。冒頭より繰り返し現れるシンコペーション(強い拍と弱い拍の位置を通常と変えて、リズムに変化を与えること)やヘミオラ(3拍子の曲で、2小節をまとめてそれを3つの拍に分け、大きな3拍子のようにすること)が特徴的です。まぁ、スケルツォなんで楽しい楽章です。
- 第4楽章 Allegro ma non troppo(速く、しかしあまり速すぎないように)
- ソナタ形式。優雅かつ雄大ですね。弦の絡み合いはとても楽しいです。
さて、ベートーヴェンの第4番を「かずメーター」で評価しました。
第一楽章 90点
第二楽章 88点
第三楽章 87点
第四楽章 90点
ベートーヴェンの交響曲の中では地味な曲ですが、大変楽しい曲ですので聞いていただきたいと思います。いずれも皆さんに推薦できる構成となっております。
お勧めのCDです。